カフェClassにて

石垣市新川のカフェClassで、きょう25日と明日26日午後7時30分から(6時開場)「比嘉真優子石垣島凱旋ライブ」が開かれる。比嘉さんは石垣市出身で元ネーネーズのメンバー。去年9月にリリースしたアルバム「新北風~ミーニシ~」の収録曲を中心に歌う。

さて、きょうは出場者の話ではなく、ライブの舞台となるカフェClassのことを紹介したい。落ち着きのあるしゃれたスペース。表に「炭」の看板。? カフェClassの所有者である前木組の前木繁孝社長と奥さんののり子さんに話を聞いた。

向かいにある前木組の事務所で開いた炭屋がスタートであるという。住宅の湿気取りをはじめ電磁波をカットする、マイナスイオンを出すなど優れものの炭関連グッズを事務所で扱うようになったことで、建築屋の「敷居を低く」することができた。それがカフェClassにつながった。

「暮らしにまつわることをやりたい、お客さんが通って楽しめる場所にしたい」
だから店の名前をカフェClassにした。「暮らす」と「クラス=学級」。みんなで暮らしの未来を描ける楽しい場所に、ということか。

「場所は提供できるけど、まだまだ私たちの力が足りないので中身が成熟していない」と奥さんは謙遜するが、現在は、建築関係や炭関連のショールームであり、住宅設計の打ち合わせ場所であり、奥さんの主宰する手作り教室であり、貸しスペースであり、ライブハウスであり、そして、カフェである。飲み物だけで食べ物は出ないが、みんなが集えば話がご馳走。十分な展開であるようにみえる。

「前木組のお客様感謝祭、忘年会などにもつかいます。びっしり集まってくれて、それが嬉しくて……。この場所にアパートをつくったら収益になるだろうけど、それで終わってしまいます」と前木社長。

直接収入にならない事業をもうひとつ、前木組はやっている。「かわら版・らいふすけっち」の発行である。月刊。A4判6ページの住宅や暮らしに役立つ情報を発信している。約5000部発行。前木組で家をつくったお客さんを中心に、「いつも迷惑をかけているので」事務所や現場周辺に配り、琉球新報の折り込みもする。

「18年つづけています。妻の手作り教室も材料代をいただくだけ。今は忙しくなって休んでいますが、僕も住まいづくり教室を無料で月1回やっていました。完成したからじゃあねと終わりになりがちなのを、こんなツールを使って、ずっとつきあっていきましょうと」

「あれは彼の趣味ですよ」奥さんののり子さんは言う。
舞台のこと。建物が完成してはじめて知ったのだという。前木社長は誰にも知らせずこっそりと舞台をつくった。作るのは専門家だからお手のもの。「反対されそうだったからね。でも音楽イベントがときどきあってもいいと思ってね」

その音楽イベントが現在は月に1、2回はある。とくにプロデュースをするわけではない。「アーティストの方が聞きつけて、貸してくださいとくるのが多いですね」。日程が決まったら、「かわら版・らいふすけっち」にライブ情報を載せる。いつものように……

おふたりの話を聞き終えて、写真を写すために舞台を眺める。なんだかとてもゆったりして見える。自然で、無理がなく、よくわからないけど、ずっとつづいていける。
そんなふうに行きたいものだ、と思った次第。

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