6月24日午前10時半から石垣市農業機械組合の敷地内で、八重山地区サトウキビ生産振興対策協議会によるサトウキビの日イベントが開催され、農機具の展示や濃縮堆肥の紹介などのほか、午後には大浜公民館で講演会を開くなど、さとうきび生産に大切な情報満載のイベントを展開した。
なかでも、午前での農機具展示には、サトウキビの植え付け機や株出し管理機などが紹介され、農家の関心を惹いていた。波照間式2節苗植え付け機は、大嶺高安さんが考案し自主制作した植え付け機で、15年ほど前から手探りして、7年前に実践で使えるものとなった逸品。材料は廃品を工夫して溶接。植え付ける深さも調節可能で、雨の日でも小さなブルトラを使うため植え付けが可能で、長雨にたたられて、植え付けが間に合わなくなることが避けられる。波照間から運搬しての展示で、波照間ではたくさん我流で製作した植え付け機があるとのこと。参加者は波照間島だけで植え付けに関し、進んでいる点を実感。
また株出しの畑で地中の株を切り肥料投入を一瞬にして済ませる株出し管理機は、多くの農家の関心の的となっていた。
石垣市サトウキビ対策室長で、同協議会事務局でもある豊里友弘さんは、「農家の人手不足は深刻で、そこに天候の不順などから大型重機が畑に入れず作付けが遅れるケースや、農家が作付けから受託制度に依存してお任せで済ます傾向がある。波照間式の受付機は個人の工夫で仕上がっており、個人の創意工夫で問題を解決できている。これを参考に農家で創意工夫から、制作してみるのもいいのでは」と、通常、二人が必要な植え付け機だが、この波照間式の植え付け機であれば、一人でブルトラを走らせながら植え付けができるとのこと。制作者の大嶺さんは大いに注目されていた。
(流杉一行)