登野城結願祭 夜籠り始まる 12年ぶり

 12年に1度開催される登野城結願祭が10月15日16日の二日間、天川御嶽で行われる。

 初日の10月15日は午後7時から夜籠りが行われ、天川御嶽の拝所には神司、公民館役員、氏子の代表者でもある屋号アーマヤーの新城家の面々が集まり、拝所の広間に並ぶ供物を前に、神前へ向け祈願がスタート。

太く長い線香が神前左右両翼に置かれた2対の香炉に炊かれ、白衣をまとった二人の神司が手を合わせて、祈りが行われた。

 拝所の東側には、報道陣のほかにも祭りの開催を聞きつけて集まった人がスマホやビデオカメラで撮影するなど、慌ただしい人込みとなっていたが、午後8時頃にはスマホを手に集まった人影は減り、夜籠で拝所を盛り立てる八重山民謡が三線と太鼓の演奏の音が、夜の静寂に響き渡った。

 赤馬節を皮切りに、鷲ぬ鳥、鳩間節、あがろーざ、かたみ節、あかまた節、たから節、揚古見浦、胡蝶の舞と、八重山民謡が披露されていた。

 時折、激しい降雨が見られて、天候の心配は兆すものの、平田勝男公民館長の挨拶にあった「夜籠の祈願には、きっと翌日の晴天も祈願されているはず」という言葉に、安堵の空気も見えて、集まった面々は、明日の結願祭の成功に思いを寄せていた。

 この日は、沖縄本島や本土からの新城家の面々の紹介も行われ、また天川御嶽に掲げられた額の文字に因んだ詩吟の披露も行われるなど、心のこもった時間が夜籠を飾っていた。

 (流杉一行)

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