白保臨時総会でリゾート建設の不同意決まる

 11月24日午後7時から石垣市白保の白保公民館で白保集落の臨時総会が開催され、議案「白保リゾートホテル建設に伴う住民同意・不同意決議について」を審議し、不同意を決議した。

 白保公民館(迎里和八公民館長)主催のこの臨時総会開催は、10月18日の白保公民館運営審議会で決定したもので、8月に実施されたリゾート説明会における業者側の説明のための準備不足に見る不誠実さから、大半が反対の傾向にある中、業者の地元の説得を後に回しての建設許可申請を出した経緯から、意思表示の早めに出す必要性からこの日を迎えた。

 内原正博氏と山城吉博氏が議長および副議長となり、まず「委任状と会場への参加者が130世帯以上あるので、臨時議会の成立する」との集計結果から議会成立が宣言され、臨時議会は進行された。

内原議長はリゾート建設の同意する意見と不同意の意見双方からの15分以内の意見陳述者をひとりづつ募った。

しかし同意する側の意見を述べる人が出ないまま、不同意する意見は新里昌央氏から出された後、採決に入り、同意者の挙手はなく、不同意者の挙手を求めると2名ほどの挙手しない人がある中、大多数が手を上げて「不同意」が決まった。

 これにより、白保公民館がリゾート建設計画へ正式に不同意の意志を示したこととなり、建設計画は、今後の計画の進行は住民の意思を無視した取り組みとなり、業者から市を通して県に出された建設計画への許可申請は、どのような対応となるかが、注目される。

 新空港の建設で揺れた白保集落は、当時、賛成・反対で公民館が2つ発生し、村が2分した苦い経験から、2分することは避けたい思いが住民に強くあり、そこは迎里公民館長の思いにも影響。

 議会終了後に記者団には「計画を進める企業に対して、白保住民の意志である不同意を伝える。ただ、反対運動には同調しない」と昔の苦い体験に近づく行為を牽制。

一部でカンパを募る運動が報道されたことから、慎重になっての言動をとっている模様。

 白保が公民館を2分した時代は、親兄弟で反目することにもなる辛い時代で、新空港の建設が陸上案に落ち着き、海への影響を回避することで、ようやく説得され、最終的に条件を出しての同意にこぎ着けた。

その項目のひとつにあった白保公民館建設でもあり、辛い代償そのものが新公民館建設という形になった経緯がある。

 新空港建設で、サンゴを埋め立てる海上案の反対運動の旗手でもあった故迎里清氏が、迎里和八公民館長の父親であれば、その辛さを2度と起こさせたくない思いにあるのは、住民だれもが共感するところかも。

 迎里公民館長は「不同意の結果から、公民館が反対の意志表示はしても、一部でおこる反対運動には同調しない。白保公民館運営審議委員会がその都度、対応策を審議して、対応していく」と、慎重さを隠さなかった。

(流杉一行)

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