一期米の田植えがスタート 大濵永太郎さん

 1月9日、午前10時から石垣島崎枝の崎枝構造改善センター北側の水田地帯にある大濵永太郎さんの水田で、今季石垣島最初の田植えが行われた。

 一期米に植えられた品種は、「ひとめぼれ」で、この日、1へクタールの水田に8条式の田植え機の心地よい機械の音が響き、濃い緑色に育った苗が、次々に水植え付けられていた。

 大濵永太郎さんによると、今期は寒くなるのを予想して、発芽に時間がかかると考え、早めに播種をして苗つくりにしたが、生育が順調で予想より早く育ったため、一週間は早い田植えになったとのこと。

 「苗の様子に合わせることが、大事なので」と、稲の様子を見ながらの営農が原則だと述べていた。

 一昨年以前の、コロナ禍が来る前も後も、同じ収量を生産しているという大濵さん。
 JAやえやまの水稲担当も、同じ収量で推移しているとのこと。世界中がコロナ禍で影響を受ける中にあっても、生産量を落とさないで稲作作りが進められていることが示されていた。

 JAやえやまの稲作の作付け面積は250ヘクタール。令和3年の収穫量は762トン(石垣591トン、西表171トン)で、令和4年一期作の目標は、石垣600トン、西表170トンとのこと。

 なお、この日の田植えされた水田は5月15日に収穫が予定されている。
 大濵永太郎さんは、川平在住の農家で、記者が四カ字の農家から「昔は川平の農家がもっとも早くに田植えをしていた。」と聞いており、当の大濵さんも昔は1月初旬に播種して、1月に田植えをしていたのを見たことがあると述べていた。

 「実は今日が川平の種子取り祭の日に当たります」とは、大濵さん。

 濃い緑が映える苗が田植え機に装填されると、大きな田植え機はエンジン音をうならせて、水面に水紋をひきながら、一度に8つの苗を植え付け続けて、快走していた。

 屋良部岳がすぐそばに見える水田地帯は、昔は屋良部岳の伏流水が水田地帯を形成していたことがうかがえる。今は、名蔵ダムからの送水で水が供給されているとのこと。

 昨今の台風襲来が少ない石垣島で、水の心配が少し起こっているようで、実際、昨年12月は農業用水の節約でストップされていたと、稲作関係者も述べていた。

 万事コロナ禍に目を奪われ、観光収入に関心が行きがちだが、島の生産現場への注意もまた十全にある必要がある。

 (流杉一行)
 

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