1月5日午後4時から沖縄県八重山合同庁舎2階大会議室で第89回八重山地域新型コロナウイルス感染症対策本部会議が開催され、関係機関から代表が集まっていた。
前回10月19日の同会議開催から78日ぶりで集まった出席者を前に、同対策本部長の曽根淳八重山事務所長は「沖縄県で623人の陽性患者が出ており、八重山では14人で、八重山は遅れて連動し、急増する恐れがあることから、この時期、情報を共有してしっかり連携していきたい」と述べ、会議をスタートさせていた。
会議は冒頭のみの公開で、会議終了後に会見が実施された。
八重山保健所の比嘉千賀子所長から1月5日の状況が発表され、1月4日の行政検査は3件おこなわれ、その内の1件にデルタ株ではない検査結果が出て、オミクロンの可能性から現在、検査のために沖縄本島に検体を送付を公表。検査結果は2・3日から4日ほどかかるとのこと。オミクロンと判明すると、八重山で初のオミクロン株の感染となるとのこと。
1月4日の新規感染者の届け出は14人で、二桁台に一気に悪化。男性5人、女性9人で、10代未満が1人、20代6人、30代5人、40代1人、50代1人で、すべて石垣市民で、県内および県外からの帰省者や、来島者で、濃厚接触者が5人あり、家庭内感染や、年末からの会食から感染している模様。職業、行動履歴は調査中。軽症が13人で中等症が1人となっている。
なお1月3日に届け出があった陽性者が、1月1日の午前0時から2時の間、バーを利用しており、この場所にこの時間帯に来店した人は、陽性者と接触した可能性があることから、店舗名を公開。石垣市大川の「グランドスラム」という店で、利用した人は石垣市新型コロナ電話相談か八重山保健所に相談してほしいと、比嘉所長は述べていた。
電話番号は、070-1470-2790(午前9時から正午まで)
オミクロンと判明すれば、本土で見られるように、あっという間に市中感染が始まる可能性があり、感染力はデルタ型を遥かにしのぐもの。早期に発見し、早期に追跡調査をしなければ、市中感染を食い止めることは難しくなる。
デルタに比べ早い発症で、5日目で発症するとされ、1月1日に判明のオミクロス疑惑判明からすれば、6日あたりから感染者の発症が危惧されてくる。
昨年、一日の最大陽性者数が55だったことから、その倍の数の対応ができるように、臨時で追跡調査スタッフを募集。昨年の第5波以降、県は各保健所へ陽性者の大量発生に備えるよう、指示を出して備えてきた。
ただ、オミクロンの感染力が強さにどれだけ効果があるかは、未知数。
保健関係の資格持つ限界あるスタッフ数で構えてきた保健機関にしては、柔軟な対応を見せてきたとみていい。医療界の既得権の高い壁により、陽性患者が利用できるベッド数が限られ、批判の対象にもなった。とりわけ国立大学病院がなかなか引き受けない実情を、事態を深刻に受け止め、少しづつこじ開けた結果、保健関係にも影響が出てきた模様。
ただ、オミクロンの感染力は、欧米に見るとおり、かなり深刻で、素早い対応が求められる。県は国へ蔓延防止宣言の適用を要請。米軍基地のある山口県や広島県とともに、州内にも適用される模様だ。
市中感染をまず食い止めるには、素早い対応が求められる。
保健所は、オミクロン株への独自な対応策を問えば、市内に4か所のPCR検査所ができており、そこでの無料検査を薦める一方、まだワクチン接種をしてない人へ、かりゆし病院でワクチン接種が可能になっていることを発表。オミクロンで死者は出ていないとのことだが、オミクロン感染で中等症になった人の数は、把握されていない模様。
デルタ株が肺に感染するのに比べてオミクロン株は喉に感染。感染力の高さは、喉から空気感染で他者の喉へそれが広がるため、感染が早く、驚異の感染力とされている。
クリスマスや忘年会で、その感染が爆発しなかったことから、今年は落ち着くかに思えたコロナ禍だが、31日にはじまった感染者が、6日後には14人の二桁を記録。今、正念場にあるといえそうだ。
この2・3日の間で、オミクロン株が見つかりだすのか。そうなれば、厳しい状況への突入となる。あるいは死者の記録はないオミクロンだけに、ワクチンや飲み薬に期待して、柔軟な対応で経済を優先するのか。いずれにしろ、どちらへ進むか、決断の日は、近い。
(流杉一行)
1月6日には、新規感染者は15名と、連続二桁の急増の事態となり、この増加率はこれまでにないもの。
男性9名、女性7名で、10歳未満が一人、20代が6人、30代が1人、40代が5人、50代が3人。濃厚接触者が4人で、15人の中で島外、県外からの移動がわかっている人がある一方、島外へ出ていないにもかかわらず感染している人が、本日だけでなく昨日の発表からも、出ていると、八重山保健所は明言。
市中感染が濃厚となっている。まだ、島で見つかったオミクロン株の嫌疑がかかる事例の検査結果が出ていないが、2日間連続での二桁の陽性患者の新規感染者の現実は、厳しいものがうかがえる。
昨年10月以降、第5波の後に八重山保健所がスタッフの数を倍増させている。オミクロンを想定する前の、一日55人の感染者が出たことを、想定しての感染追跡のマンパワー体制といえる。
今回、二桁の新規感染者が2日連続して、そこに感染経路が見えない人が、すでに出始めている現状は、見逃せない。
ただ、オミクロン株で死者が出ていないことが、救いだったが、インドで糖尿病患者の高齢者がオミクロンに感染して亡くなったとの一報が入っている。感染しても死者が少ないが、病や高齢など健康弱者に感染がいけば、大事な人を亡くす可能性が出ることになる。
引き続き、マスク厳守で、極力、接触回数は控えるのがベストといえてくる。