新たな訴訟で市の住民投票の実施義務を問う 求める会アピール

  10月14日午後7時から大川公民館で石垣市住民投票を求める会(金城龍太郎会長)による集会が行われた。

 原告団および一般市民対象の集会として開催され、広く一般参加をねらったユーモアあふれる集会となっていた。

 同会は、石垣市に自衛隊基地建設に関する住民投票を求める1万4千人以上の署名を集め提出する。それを市議会が否決。市長の意志で可能にもかかわらす、市民の署名を実質無力化。

 これを司法に訴えて3年が経ち、住民投票の実施義務が市長にあるかどうかを司法に訴えてきた。そして昨年8月に第一審判決は敗訴。今年3月第二審も敗訴。8月最高裁への上告が棄却。

 冒頭、金城龍太郎会長は、「法律が持つ難しい用語を自分たちの都合で解釈することで、ものごとを複雑にしていると思う。」と述べ、「それらを焼かずに、そのまま知ってもらおうと思い、開催した」ことを告げ、講演はスタート。

 クイズ番組のミリオネアをもじっての進行で、集まった約50人以上の聴衆は、硬い話に偏りがちな訴訟集会が、楽しい時間に変換したことを悟り、拍手と笑いで演者の語りに耳を傾けていた。

 「権利と義務と法律を焼かずに食べる」と題する趣向を凝らした演劇調の楽しい舞台調の講演は、同会が住民投票訴訟で取り組んできた経緯をわかりやすく伝えるクイズ形式の寸劇で、司会者の金城氏が、4人の挑戦者に4択クイズをこたえるもの。

 裁判官、買い物をする主婦、タクシー運転手、建物に扮する人の4人が、金城氏のクイズに答えて、会場を沸かせていた。
 
 会は、1時間半ほどで終了。笑顔で帰る面々は、集会がもつ空気とは少し違うムードで締めくくていた。

 寸劇の後、今後の求める会の取り組みを、改めて説明し、10月19日に第1回期日を迎える「当事者訴訟」について、原告3人(金城龍太郎ほか2人)で新たな訴訟に取り組むことを発表。

 1万4千人以上が住民投票を求める署名を書いた民意をもとに、住民である原告は、この結果から「原告が住民投票に投票する権利はあるのか」という問いを、司法に突き付けることで、訴訟を継続することを宣言。

 会場からは、拍手があがり、支援の意志が伝えられていた。

 同会の渡久山修副会長は、「全国で初となる住民投票を求める裁判が、あまりに知られていなさ過ぎる」と、もっと多くの人に、この問題に関心を寄せてほしいと述べていた。

 (流杉一行)

この記事をシェアする