海LOVEビーチクリーンが平野海岸で 250人と馬一頭が尽力

 3月7日、海LOVEネットワーク主催のビーチクリーンが石垣島・平野海岸で行われた。

 前々日から続いた長雨が早朝まで続いたものの、開催時刻の9時30分頃にはピタッと雨が上がった。

 平野公民館駐車場に車で集まった参加者は徒歩で移動。10時頃、海岸に続々現れた参加者人数はざっと150人。

 幼い子ども連れの家族や高校生グループ、海上保安庁職員や年配の紳士淑女から会社で稼ぎ頭の中堅世代まで、多彩な人が石垣島最北端の海岸に集結した。強行気味な開催を気にする海岸待機のスタッフ等も、少人数を覚悟していたためか、大勢の登場で明るい表情に一変したように見えた。

 海岸に入るなり周囲のゴミを拾う人から、久しぶりの再会を喜んで立ち話する人など、それぞれまちまちに海岸で過ごしたあと、ゴミを入れる大きなケースをスタッフから受け取ると、次々に平久保灯台方向の海岸南の切れ目へ向かって移動。

 コロナ対策で顔を覆うマスク集団が、黙々と海岸へ散っていった。子ども連れの家族には近場の北側へ誘うスタッフ。救護ステーションや給水場所および、集めたゴミを仕分けする場所となるビニールシートの設置をされ、スタッフらが早朝から準備していたのがわかる。

「10時55分をめどに戻ってください」と、声を駆け回るスタッフ。黙々とゴミを拾い集まる参加者。スタート後も続々人数は増えていき、ザッと数えて250人ほどになっていく。

 11時頃からゴミ分別の仕分け作業に取りかかる。集まったゴミの多さは相変わらずの衝撃だが、それが瞬く間に仕分けされていく。この大勢がこれだけ山積みされた大小ごちゃごちゃの残骸そのものを、自発的に分けられ、声を掛け合って整理していく様子は圧巻でもある。

 かくして12時頃には、記念撮影となり、写真家の大塚久勝さんがはしごに乗って全員撮影。スタッフも自撮棒にスマホをつけての高所からの撮影を実施。

 このあと、2時間以上かけての手渡しによるゴミの搬出。石垣市や指定する場所まで手渡しの列をつくって、ひとつづつ海岸から収集車が来れる道路際まで、ゴミが運ばれていった。

 集めたゴミは、不燃物158袋、ペットボトル109袋、漁具55個、漁具ブイ427個、発泡スチロール104袋、ビン51袋、缶6袋、割れ物9袋、電球9袋、燃やすゴミ13袋、大型発泡スチロール33個。去年は3月8日に同じ平野海岸でビーチクリーンを実施している。132人での参加で、不燃ゴミ190袋、ペットボトル150袋が目立っていた。

 今年は、漁具のブイが昨年228個から倍増。漁具も昨年22袋から今回55袋と大幅アップ。ビンも昨年17袋が今年は51袋。電球も昨年5袋から9袋。漁業系のゴミが増えているようだった。

 最初の静かな海岸に現れた人だかりは、砂浜のゴミの酷さには閉口しつつ「この細かいの粒はマイクロプラシチックだね。もうこんなになっている」という声も聞かれた。

 ゴミの観察眼も鋭い参加者だ。
「放置がかなり進んでいるかも」という声も漏れている。
 海洋ゴミの問題は、先進国がリサイクルするゴミを途上国へ輸出し、処理を丸投げしたものが、膨大に蓄積放置され、海に流れ込んでいる事態が、TVで流されたばかり。

 劣化して粉々になって、鳥や魚が餌と間違い食べて体内に蓄積して死ぬケースから、プラスチックが溶けて魚肉への影響も懸念されてくるとすれば、人ごとではない。

 そんなマイクロプラスチックが、島の海岸に見られるのは、大問題。

 関心が高まる海洋ゴミだが、打開策がないまま、年々ひどくなっていくようだ。

 「お金になるとなれば、こんなに放置されないはず」と誰かが言う。アルミ缶やスチール缶が目立たないのはそのせいかも。

(流杉一行)



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