スポレク祭Aランク1名はコロナ自粛の影響か 健康の原点はウォーキング 石体協

 10月11日、午前10時から石垣市総合体育館メインアリーナで石垣市体育協会(石垣昌招会長)による石垣市スポーツレクリエーション祭が開催され多くの市民が会場に訪れていた。                        
 この日は、新型コロナウィルスの感染を避けるために、開会式は実施せず進められた。訪れた市民は、受付で登録をうけ、この日の健康体力測定の項目をチェック。

 入場者数は112人で、体力測定に参加したのは52名。

 体力測定の種目は、反復横跳び、立ち幅跳び、上体起こし、握力測定、開眼片足立ち、長座体前屈、10m障害物歩行、6分間歩行、シャトルランと、多彩な体力測定が用意され、ペタンク大会、ミニトランポリン、輪投げ、フラループといった軽いスポーツも実施されていた。メインアリーナは、健康維持に意識ある人で賑わいつつ、それぞれ密を防ぎながら、体力測定や軽スポーツを楽しんでいた。

 体力測定の種目の中には、65歳以上の人しかできない10m障害物歩行のコーナーがあり、高齢者が自身の足腰の状態を見極めるもので、マイペースで障害物を越えて歩いて、健脚ぶり?を確認するもの。10mをしっかり腿を上げながら、歩くことで、良くも悪くも自らの体力を発見することになる。

 この日、主催者の石垣昌招会長(70)は、記者の質問に「石垣市体育協会が八重山体育協会と違うのは、八重山体育協会が競技のトップを目指す協会であるのに対し、石垣市体育協会は市民の健康を目標の第一とするところ。」と述べ、「ここで、体力を測定することで、自身の体力の衰えを自覚し、改善に向けて取り組むきっかけとしてほしい」とイベントの活用をアピールしていた。

  昨今、全国的な健康ブームの下、石垣もその傾向は及んでおり、サザンゲートブリッジやバンナ公園などで、ウォーキングに興じる市民の数は、かなり多くなっていると、石垣会長。

 記者が思うに、今から25年前の石垣島は、集落から離れた沿道を歩く人の姿はほとんどなく、いれば逆に何かあったかとびっくりするような時代だった。健康のために歩くというと、理解されるわけもない。明確に、今は時代が変わったことがうかがえる。

 石垣会長は「観点を少し変えると、健康な体づくりは防災にも一役買う」と述べ、「逃げる場合にも体力が必要で、万が一のときに体がしっかり動けるようにすることも、防災には必要。防災のためのグッズの準備に加え、体力維持の取り組みも、防災に直結する」と述べていた。

 参加者は、測定後に記録を提出すると、年齢に照らして体力判定が実施される。AランクからEランクまでの判定で、昨年参加した人は、体力維持か衰えているか、あるいは向上したかが、わかるようになっている。

 この日の52名の体力測定参加者は、良好な順にAランク1名、Bランク15名、Cランク11名、Dランク12名、Eランク13名の評価が出ていた。

 昨年の参加者は64名で、Aランクには6名、Bランクには23名で、半数近くがAかBという評価。Cランクは22名でDランクは8名、Eランクは5名と下位のランクが一桁だった。

 これに対し、今年の参加者のAかBの人は、全体の3分の1にも満たないという低成績。今年は新型コロナ感染防止から、多くのイベントが中止になり、家での自粛が続いたことが影響した可能性が濃厚といえそう。

 昨年は6名いたAランクの人が、今年は1名人しか出なかったのは、まずコロナ禍による運動不足ぶりがデータに現れたと、とらえられる。

 ウイズコロナやアフターコロナが叫ばれ、これからどんな社会づくりが志向されるか、まだ見えてこないが、紛れなく健康維持と体力づくりへの関心は、なお高まってきつつあることは、予測できそうだ。

 最後に石垣会長が言っていた「競技するスポーツはランニングが原点だが、健康の原点はウォーキングだと思う」まず、歩くことから始めるのがいいのかも。

 なお、この日は八重山保健所が健康づくり応援ソングを特設ブースでDVD披露。八重山方言をつかって、楽しい振り付けの「がんじゅうTUTAETAI」は、多数の島人が参加していて、一見の価値あり。是非、見てほしい。

  (流杉一行)
 

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