ハワイ種パインフライトが続く

 7月1日午後1時30分、南風ぬ便り(ぱいかじぬいやり)チャーター便の第4弾が石垣空港を飛び立った。8日と15日も、5弾、6弾と続く予定。

 この日、ヤマト運輸がカート20台、OASが9台(6台がパインで、オクラ・ゴーヤが2台、車エビが1台)、郵便局が5台の計36台を満載。ほぼ、パインで7月1日ながら多数のパインが空輸された。

  この南風ぬ便りは、八重山市町会が飛ばすことで、地元の産品を安定輸送するのがねらい自治体フライト。特に、今季7月はパインアップルのハワイ種が各段においしくなる月で、8月に入ると一気に味が落ちるので知られている。

  もともと、パインの缶詰工場の林立からはじまった八重山のパイン産業は、自由化から先細り、農家の婦人会が独自に生食用の商品として、一般家庭に宅配での販売を手掛けて、これが大当たり。起死回生の産物といえた。日本で酸っぱいイメージのパインアップルが、八重山のパインでその甘さからイメージが激変。

 ただ、この7月という限られた時期であったことから、この時期の空の便の荷の殺到は破格。

 しかも、毎年、中体連で子どもたちやPTAの出入もあり、観光客の本格来島など、昔の短い滑走路では悲劇的な積み残しで、農家には辛いの一字。しかも7月は台風襲来の時期。そこをかいくぐっての今に至っている。短い滑走路時代の厳しい環境から、今日の7月ハワイ種パインアップルの隆盛を忘れてはいけない。

 石垣島から北東へ400キロ離れた沖縄本島から、そのまた北東500キロ以上離れた本土に出す、あの定番の菊花のチャーター便がどんなにうらやましかったことか。

 かくして、今回、コロナウィルスの自粛から、国際便就航が止まり、そこで機材(中型ジェットのB787:国際線に使われる航空機)の利活用に石垣島と本土を結ぶ貨物チャーター便が組まれた。

 この実現には臨時交付金が絡んでいる。国が4月20日に出した新型コロナウィルス感染症対応地方創生臨時交付金に、八重山が素早く反応した結果だった。4月から始まっている本マグロ漁および車エビの水産物や、オクラ・インゲンなど農産物で、1便2便3便と専用貨物チャーター便が組まれた。

 特に、今季550本という破格な本数を水揚げした八重山漁協の本マグロを、この自粛ムードの中、本土への空輸回数を増やせたことは、快挙といえた。

 本マグロ産卵地の八重山海域の特長が発信できている。

 ただ、これと同時に、尖閣の話題でまたも、字名変更のどうでもいい話題で目立ってしまったことは、まさに冷水。自衛隊によるミサイル基地建設で島が割れる可能性がある中で、島が一つになって喜べる話もチャラである。残念。
 

 (流杉一行)

この記事をシェアする