石垣市は、マックスバリューやいま店が展開するネットスーパーの支援を5月5日から13日までの9日間実施する。
国がタクシーによる宅配業務を緊急事態宣言の期間にだけ認める措置から、石垣市が応じたもの。
このネットスーパーとは、マックスバリューが4月1日から実施するもので、インターネットで商品を選び、商品は自宅まで配送してもらえるサービス。
ネットで会員登録をして、品物を選定し、かかる費用は品物代金と手数料(330円)で、支払いはクレジットカードおよび代金引き換えで決済できる。
石垣島では大戸屋や100円ショップダイソーが並ぶ、あの大きな駐車場を持つ「やいま店」のみで実施しており、店に行かずに買い物ができるネットスーパーは、多くの人の関心を呼んでいるという。ただ、一日20件の配達が限界という状況。
石垣市は、すでに5月1日に新型コロナウィルス感染予防から3密を避ける一つの手段および、タクシー業界の苦境を脱する策として、タクシー宅配を発表している。自粛が有効になり、公共交通としてのタクシー業務の維持もできる評価して、この日、第一号となるタクシーの稼働を「マックスバリューやいま店」で実現。
午前11時45分にタクシー2台が「マックスバリューやいま店」に到着。係員が顧客の購入した商品が入った荷物と配達先リストをタクシードライバーに告げて、ほぼ正午に出発。2台で7か所を配達していた。
ネットスーパーで配達するエリアは、石垣、新川、登野城、大川、新栄町、浜松町、美崎町、八島町の市街密集地に限られている。
イオン琉球の倉田朋樹ネット事業構築プロジェクトチームリーダーは「これまで一日上限20件で実施。このタクシー宅配によって、二人いたドライバーを一人にして、一人を商品担当に回して、対応能力を高めていくことにしており、30件に増える見込みで、今後は配達エリアも夏ごろまでには真栄里、平得にも広げていきたい」と、抱負を述べていた。(なお、タクシーの宅配はクレジットカード支払いのみの顧客に限っているとのこと。)
倉田氏は「娘さんが、高齢の親への配達を依頼するケースや、実家を離れた学生へ親が配達を依頼するもの」などを紹介。他エリアでは利活用の幅は広がっており、そんな利用も推奨したいと述べていた。
初便のタクシーとなったかびら観光交通の伊良皆高司社長は、「非常事態宣言の中、島に大きな感染はないにしろ、油断はできない。実際にはステイホームになっていない。タクシーもつかって頂いて、感染拡大防止になればと思う。そしてステイホームに貢献したい。」
顧客激減の苦境に触れると「この自粛の中、市民が移動するにあたって、何台かは出さなきゃいけない。公共交通機関としての役割が果たせなくなる。ただ、走らせれば走らせるほど赤字になるが、そこは宿命ですね。」と、厳しい状況も述べつつ、業界の役割にも触れていた。
4月1日から実施されてきたネットスーパーを13日まで支援する形は、国の方での期間限定の規制緩和からなったもの。ただ、国が5月31日まで緊急事態宣言を伸ばすこととなり、13日以降はどうなるかは、少しきたいしたいところだが。
経済再開へ向けた動きも、今後つくりつつ、感染拡大を阻止するための知恵が求められてくる。要は、知恵の出し比べ。観光客依存の経済を見直し、国レベルでは中国依存の生産拠点依存も再考の必要に迫られている。
(流杉一行)