緊急事態宣言後初 八重山家畜市場4月セリ

 4月13日午後2時から石垣市の八重山家畜市場で4月セリが開催されている。

新型コロナウィルスの影響でインバウンドの減少と輸入関税の引き下げから、前回3月セリでは平均が約10万円の下落となり、畜産農家にはショックな事態となっていた。

今回4月セリは、新型コロナウィルスが一層深刻化し、日本政府は緊急事態宣言が7カ所の府県へ出し、全国的な自粛要請が本格化。

国内だけでなく全世界で、新型コロナウィルスの拡散が止まらない状況の中、売る方も買う方も収束の兆しを感じられない厳しい実情の中の開催となった。

13日・14日の2両日開催にはこぎつけられたが、来場者を規制し、セリ場内には買う人以外は入場を断り、無観客のセリとなった。

 幸いにも、この日の滑り出しが59万円台と値がついて、一抹の不安払拭にはなったが、緊急事態宣言後の厳しさは、そう甘くはなく、厳しい値が続いていた。

 15時半で、最高値は81万2000円で、購買者も生産者を配慮して、値をつけるも、生産者の中には思った値に届かず、持ち戻る農家も。「罰金だ」と思わず漏らす購買者もいて、厳しさの漂うセリとなっていた。

 この日の予定販売牛は子牛282頭、成牛・無登録・経産牛35頭で、JAおきなわ八重山地区畜産振興センター畜産部畜産課の仲程信智課長は「購買者も農家も、緊急事態宣言の後だけに皆覚悟をしています。その割には今日の滑り出しは、まあまあで、ただ明日の集計結果を見ない限りどうともいえない。」と、厳しい実情に変わりがないことを述べていた。

 明日は14日は午前9時開始で子牛405頭、成牛・無登録・経産牛42頭のセリを予定。

(流杉一行)

 新型コロナウィルスの猛威のピークは見えないままに、世界は拡散を広げ、感染者を増大させている。一方で中国の武漢感染終結宣言も、どこまで信用できる情報化が分からないまま、不思議な弛緩ぶりを発信。一方で、アビガン、イベルメクチン、トシリズマブと薬の効果が発信され、短い時間で検査可能なPCR検査キットが20日島津製作所から発売される情報も出ている。
 ワクチンさえできて来れば、インフルエンザと同等な感染症になるのだが、その薬効が見えていない以上、感染スピードの脅威は破格で、警戒は緩められない。
 経済活動の停滞から生活苦に向かいつつある中で、いかに家に籠って自粛に努めるか。
 かつてあったスペイン風邪の猛威は、19世紀から始まったアメリカ発の欧州観光ブームが発端。第一次大戦で拡大し、人の移動が生み出した。「旅」とは違う、人を安全に楽しく運ぶ「観光」概念のスタートから、アメリカ発で欧州観光という一大ブームが、世界に拡散する猛威を形成した。
 今回は、中国発で同じことを繰り返していることになる。
 今、家に籠って、同じことを繰り返さない方策を、考えなければならない。まず、局所に物的依存し、観光に偏った経済構造を再考しなければ、はじまらない。今こそ、内需の活性方策について思考をめぐらし、新たな形を編み出すべしと思うのだが。

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