2月22日、23日、24日の3日間、第3回石垣北部じょーとーむん祭りが開催され、22日に明石集落の一本松売店の午前10時開店からはじまり、「北部再発見」をテーマに14のイベントが石垣島の久宇良、明石、兼城、大里、下地、伊原間、伊野田、星野、多良間、伊土名、栄の11集落で展開。北部集落が連携しての地域活性のイベントが実施された。
昨年までは伊野田や栄で、北部の各集落から一か所に集まってのイベントだったが、今回は北部の各地区をベースにイベントを開催。各地域活性をねらっての実施で、野菜販売を中心に、地域色豊かな手作りの品々を揃えて、各会場を盛り上げていた。
22日はオープニングを明石売店でスタート。キュウリ、ゴーヤ、ニンジン、大根、ナガイモ、レタス、大根菜、アスパラ菜などが、有機野菜として並ぶものもあり、トマト、トーガラシ、花卉のジンジャーが1本100円で売られたほか、生姜、ウコンの他、カニステルといった珍しい果物や、サーターアンダギーなどの菓子に、魚なども冷蔵庫に用意され、実に多彩な品ぞろえを見せていた。
明石出身の新川焼の陶器も並び、入浴剤、手作りストラップ、EM菌、エコ石鹸なども販売。北部売店の手作り感満載の店舗を見せていた。
大里では今年1月にオープンした大里売店で手作り民具体験を実施。アダン葉によるユビハブ、ゲットウのコースターづくりや、重いものを頭にのせて運ぶ際につかうクバ製のガンシナなどがメニューで、訪れた人々は店主の徳光修子さん(59)からひとつひとつ教わっていた。
徳光さんは1月から共同売店を引き受けつつ、民具体験ワークショップを実施。手作りの技が途切れるのが惜しいと思い、はじめたという。「地域で子どもが少なくなっていくのが心配。村の活性に老人の知恵を生かして活性化に貢献したい」という。
兼城自治公民館では「南の魔女の部屋」を開催。ハーブ商品を多数並べて多くの来場者に受けていた。自然豊かな集落らしく、生きのいいハーブを活用した魅力あふれる品で地域をアピールしていた。
久宇良公民館を拠点に「よなぐに馬とサバニで昔遊び」が実施され、楽しい時間を提供したほか、下地公民館では北部地区をカンムリワシの視点で見る鳥瞰図の「魅力マップ」を披露していた。
23日は、伊原間公民館を拠点に「FUNマーケット」が展開。伊原間ファンが集うマーケットで「飲んで食べて体験たくさん」をテーマに乗馬やヨガ&マッサージ、サバニ体験、民具の販売コーナーや草編み体験などを実施。
食事コーナーもあり、なかでも地域で取れたてのゲンコダイやハナフエダイなどの魚が、調理されて売られており大評判。伊原間の漁師が捕った新鮮な魚が売られるコーナーもあり地域色満載の雰囲気となっていた。
引き馬コーナーは、よなぐに馬に乗れるもので、体重70キロ限定。
この日、新栄町から参加した小学3年生の中西南都ちゃん(9)は、母と同伴で乗馬体験に参加。
「最初は揺れて怖かったけれど、馴れたら楽しかった。馬が可愛かった」と、笑顔で感想を話してくれた。
お母さんは「幼い頃に一度体験していて2度目ですが、最初のことは幼すぎて忘れていますね」と子供の反応ぶりを見て喜んでいた。
この日、沖縄ツーリストによるキャピングカーの展示には、多くの親子連れが見学に集まり、意外な人気ぶりを見せていた。
気に入った子供たちがなかなか車から降りないだけでなく、大人が中をのぞくとその子供たちが装置を紹介してみせるなど話題となっていた。星空が観光スポットのひとつになる北部地区では、このレンタカー1台が24時間で2万7千円で借りられるとのこと。
最大7人まで寝られ、レンタカー代金と家族での宿泊代を入れれば割安感があると、見学していた家族は興味津々で担当者の話を聞いていた。
このほか、伊野田では「おっかぁ市」と「味見のできる畑」、星野では映画上映「トイ・ストーリー」「ジェミニマン」「ワイルド・スピード・アイスブロック」、大里では「星空ツアー」が展開。
24日には、明石で「ビーチクリーン」、多良間・伊土名で「北部給食食堂」、栄では島花教室、大里では「お疲れカラオケ」のイベントが行われた。
石垣北部スタンプSDGsラリーも実施されており、各地での行事会場やスタンプスポット(平久保灯台・玉取崎展望台)にあるスタンプ3つで島花教室(先着50名)、スタンプ5つで北部給食(先着80名)と交換可能とのこと。
今回、新型コロナウィルスの影響で石垣島オウションビュー・トレイルラン&ウォークが中止になったものの、多くの伊原間ファンが会場に来て、地域の食に舌鼓を打っていた。
今回も各会場で物販の売り切れが聞かれた。過疎地イベントへのリピーター熱が感じられる、心温まる祭りとなっていた。
新型コロナが蔓延傾向の全世界にあっても、地道な活動でつながりの深さを大切にするイベントであれば、不安の程度も薄まる。
呼びかける範囲を広げすぎる拡大一辺倒のイベントもいいが、地域活性化への願いに満ちたものであれば、途切れさせず地道に伸びることができるのかも。
(流杉一行)