石垣初 SDGsカードゲームで楽しい時間

 9月6日、7日の二日間、さんご認定(仮)勉強会事務局主催でSDGs持続可能な開発目標を学習できる「2030SDGsカードゲーム」が開催された。

7日は午後3時から名蔵公民館で開催され、親子ペアなど約30名14グループが参加して、国連サミットで採択された、世界を変えるために立てた持続可能な開発目標17を学習できる「2030SDGsカードゲーム」を楽しんだ。

 この「2030SDGsカードゲーム」のSDGsは、サステナブル デベロプメント ゴールズの略で、持続可能な開発目標を意味し、その17の目標を達成するために、現在から2030年までの道のりを体験するためにつくられたゲーム。

未来の地球に関心を寄せながら、この目標を学習するとともに、子どもも親と一緒に参加することで、たのしくゲームが楽しめるイベント。

 この日、「2030SDGsカードゲーム」公認ファシリテーターの橋本かおりさんを講師にゲームを進行。

 SDGsについて説明を終えると、さっそくゲーム開始。14チームがそれぞれ目標を与えられ(大いなる富、悠々自適、貧困撲滅の聖者、環境保護の闘士、人間賛歌の伝道師)、その達成にはどんなカードが揃えばよいかか指示されている。

各チームは、プロジェクトカード、金カード、時間カードが与えられ、金と時間をかけてプロジェクトを実施することを事務局に告げると、プロジェクトカードに書かれた金カードや時間カード、意思カードおよび新たなプロジェクトカードなどが与えられる。

このプロジェクトが実施されるごと、与えられるカードとは別に、事務局横の世界の状況の黒板に、実施されたプロジェクトカードにある世界の状況メータの変化の数値が与えられ、世界の経済状況、環境保護、社会的包摂が14チームのプロジェクトの告示の蓄積で、変化していく仕組み。

 前半10分で、14チームは次々に事務局へカードをもってプロジェクトの実施を告げ、事務局から新たなプロジェクトカードや時間カード、金カードをもらって着席。

手持ちのカードを見比べて、実施可能なプロジェクトを確認して、目標達成となるカードを集めるべく、事務局にプロジェクトジェクトカード、時間カード、金カードを提出していた。

かくして10分後には小休止となり、中間発表がおこなわれた。

6チームが目標を達成。一方、世界の経済状況は経済は伸びるも、環境と社会は荒廃する状況を指示して、橋本さんは写真を使って世界の環境や社会が荒廃している状況を説明。

 次は15分間と少し長く同様のゲームが続くも、今度は14チームに向けて橋本さんはキーワードを思い出すことを要請してのゲームとなる。

キーワードは「誰一人、取りこぼさない」。

これを思い起こしての再ゲームは、チームの目標とは離れたプロジェクトや金、時間カードを、チームごとに協力し合って、交換や譲渡をしながら、目標達成に尽力。

14チームが、それぞれテーブルを訪問して、交渉しながらカードを譲渡したり交換したりと、協力的に活動して、目標達成を進めていた。

 15分後、14チーム中12チームが目標達成。環境や社会も数値を上げて、世界は住みよいものとなっていた。

2チームが、目標を悠々自適な暮らしに設定したチームで、時間を欲しがる人へ時間を提供してしまい、確保した時間が不足してしまう結果となった模様。

 ゲームの後は、「ふりかえり」の時間となり、小学生から「世界の目標を意識し、協力する人々のために時間を失っても、世界の状況がより良くなる方がよいと思った。自分の目標が達成されなかったが、それでもよいと思えた」という声も上がって、各チームから拍手が沸いていた。

 今回、参加者は総じて時間が足りなくなり、プロジェクトができなくなるチームが多発。

 橋本さんは、時間を何に使うか優先順位を考えることの大切さを述べていた。

 またSDGsの本質についても触れ、小さな活動が動かすことに通じ、世界とつながっていることを意識するのが大事と述べていた。

 環境が健全でこそ明るい社会がなり、そこで経済が豊かになる。そこで経済が社会へ影響して、それが環境に反映される。

 またパーム油を例に挙げ、インドネシアのスマトラで森林の半分がヤシ園になって、森林が減っている。ヤシから脂がとられ、パーム脂を植物油脂の名でアイスクリーム、チョコレート、カップ麺、洗剤、ドレッシングに含まれている。安い製品に使われている可能性が高く、これらの商品を買うことで、ヤシ農園が増え、co2を増やすことになる。

 橋本さんは、最後に、ゲームでは目標やプロジェクトが書き込まれていますが、最終目標は、各人が自ら目標を立て、プロジェクトも自ら考えることが大事と述べていた。

  今回、東京の芝浦工大が組織する「石垣島をもっと元気にするプロジェクト」のメンバー3人が、このカードゲームに参加。

 そのひとり藤田楓さんは「大学でSDGsに取り組んでいて、まさか石垣島でSDGsのイベントに巡り合うとは思いもよりませんでした。もっと勉強しながらやるゲームと思ってました。こんなに楽しみながらできるゲームとは驚きです。」とたのしくできたことを喜んでいた。

 今回、主催者のサンゴ認定(仮)勉強会の事務局の花谷まゆさん(37)は、今後もこの取り組みを進めていきたいと、抱負を述べていた。

 同勉強会が2030SDGsカードゲームをやるきっかけとなった俵山美絵さん(43)は、
「6年前に島外でこのゲームに参加したことがあり、石垣島でも実現すれば、きっとよい影響が生まれると思ってきました。6年越しで実現したことになり、うれしいです」
と、意気込みを語り、10月にも再度実施する予定も述べていた。

 (流杉一行)

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