台風9号八重山襲来 石垣島34m

 8月8日から9日にかけて台風9号が先島諸島に襲来。最大瞬間風速75mを予想された猛烈な台風9号は、八重山諸島を外れて北西の海へ去っていった。

 さとうきび畑は、なぎ倒され、バナナ畑は壊滅。倒木もいくつか見られ、道に障害となる木々が転がり、垂れ下がった。若干の信号機トラブル。

 正直言って、気構えた割に空振り感ある台風だった。

 それよりも気になったことがある。
 8日時点では、9号の行方は台湾と与那国の間を通過との気象台の予報。

 それが与那国直撃、西表島直撃、石垣島直撃と時間とともに変化して、935ヘクトパスカルから920ヘクトパスカルまで、普通の40mクラスの台風から60mクラスの予報へ変化しながら、最後は宮古島と多良間島の間を瞬間最大風速75mで通過する形になった。

 そんな変化は、毎度のこと。ただ、今回は少し変化が大きい。異常気象が、台風予測変化も、異常にアップ?

 石垣島の南側からの通過という事態から、北側への移行は強力に吹く風向きの逆方向への変化を意味する。

 車を避難させる人には大問題の事態。そういう意味では、多くの人にハラハラさせる台風だったといえる。

 最初、フィリピン東で発生して迷走気味の動きを見せた台風だけに、実に先の見えないやっかいな台風だった。

 また8号から10号までの3つの台風の発生は、様々に影響がでる可能性があったこともあり、先の読めなさは破格。

 石垣島にとって台風9号は、最終的には34mの風速程度で済んだ。

 被害はベランダで転倒して軽傷がひとり。これまで台風が来なかったことで、木々の枝が多数伸びて、それについた葉が破格に繁茂。台風が、きれいに間引きした格好。

 もっとも多良間島に近い石垣島平野で、9日昼以降まで長く停電が続いた。これに住民避難を呼びかけた石垣市防災課は、平野での停電の実態も把握せずに、問い合わせには電力会社HPでの確認をお願いする形。

 今回、驚いたのはNTTがサービスする177の気象情報には、これまであった細かな情報が、今回は予測が難しいのか、一部しかリリースされておらず、市内が暴風域に入るタイミングが計れない事態となっていた。

 住民には、「これは働き方改革の影響?」という声さえ聞こえてきた。

 テレビでの報道も、八重山直撃の予報をしながら、暴風域に入っているにもかかわらず、八重山諸島に近づいているという文言を報道。

 「近づいている?」暴風域入りが、島の活動の停止を意味することさえ、把握しないテレビ関係のニュース番組の運営。本土へ向かいそうな台風の優先報道が目に余る。

(流杉一行)

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