6月21日午前10時から八重山郵便局駐車場でパインマンゴー出荷式が開催された。
ゆうパックのお中元商戦本格化を前に八重山の夏の味覚としてパインアップルやマンゴーを、多くの人にアピールするために、毎年この時期、八重山郵便局が実施しているもの。
今年も黄色く飴色に輝くパインアップルや、甘く熟した完熟のマンゴーを並べて、メディアに見せながら、八重山郵便局や農家の代表や石垣市長が、内外にパインアップルとマンゴーの良好な出荷を発信した。
冒頭、地域子供会による子どもエイサーでオープニングセレモニーを飾った後、式典がおこなわれ、主催者挨拶、来賓挨拶のあと、生産者代表として毎年挨拶に立っている上間昇氏は「今年はおいしいパインができました。大豊作です。昨年、パインを痛めるような台風がなかったことで、1か月ほど収穫時期が早まっています」と、今年の出来をアピール。
多くの人が八重山の気候で生まれてくるパインマンゴーを贈答用に活用してもらうことを望んでいた。また、その予定にある人は、今季のパインのハワイ種が早めに熟したため、7月下旬には切れてしまう可能性があるとして、早めに送ることを勧めていた。
このあと、石垣市商工会関係者および輸送関係も加わって、テープカットが行われた後、初荷伝達式がおこなわれ、生産者の上間氏から商工会副会長、石垣市長、沖縄郵便支社長、八重山郵便局長、JTA営業所長、ANA支店長、那覇中央局長の手を経て、運送員へ荷物が手渡された。
パインマンゴーが積み込まれた車が発車すると、見守る参加者から拍手が沸き起こり、今季のゆうパック事業の成功を祈る光景となっていた。
このあと、試食会がおこなわれて、パインマンゴーの甘い香りと、おいしそうな色に仕上がった果肉に参加者が集まり、パイン(ハワイ種とゴールドバレル種)とマンゴーに舌鼓を打っていた。
農家によれば、今季は早くにパインが熟して、5月には7月に匹敵する甘さになったと指摘。6月の今のパイン以上に甘くできていたと、今季はこれまでにない現象になった模様。
この日の試食のパインも、ハワイ種といっても皿ごとに違う農家のパインで、それぞれが甘さや酸味のバランスや、口ごたえに特長があり、そこが面白いところとのこと。
農家ごとに肥培管理の方法が、その土地の地質に合わせて独自に工夫しており、できあがるパインも一個一個が微妙に特色もって仕上がってくるとのこと。
八重山のパインは、国内でもっとも平均気温が高いため、糖度の高いパインができあがる。植え付けてから1年8か月の長期間の営農で、北緯24度の日差しをたっぷり頂いてのパインといえる。
この日、試食のコーナーで説明する川原パイン婦人会の農家は、丹精込めてつくったパインを出席者にアピール。
八重山でかつて隆盛だった缶詰工場用パインが、外国製品の横行で工場の閉鎖を呼び、そこで一念発起して生果で食べるパインに切り替え取り組んだ川原婦人会。実は、八重山のパインの生食用の生果の生産販売を真っ先に手掛けたパイオニアの会でもある。
(流杉一行)