12月2日午前9時、第44回八重山毎日駅伝競走大会が開催された。
八重山の17地区から各代表を招集して、地区対抗でおこなわれる駅伝競走で、石垣市中央運動公園陸上競技場でスタートが切られ、石垣島一周16区をリレーするもの。
スタートラインに立った八重山の17地区の1区代表となる高校生17人は、号砲を合図に1区の4・8キロを駆け抜けるべくスタート。石垣市中央運動公園陸上競技場のトラックを一周した後、コースに躍り出ていった。
先頭は西表島の石田うみ君。後続の2位につけるのは与那国の仲嶺吉朗君。そして、それぞれ地区代表の誇りを胸に、一心不乱に石垣島の左回り一周コースを、17区間を各チーム16人でタスキをリレーして、優勝を競い合った。
区間記録保持者を6人も持つ与那国チームは、過去6連覇を達成する健脚チーム。3年前に7連覇を波照間チームに阻止され、2度優勝を逃した後、昨年久々に優勝。今回は連覇を誓っての石垣島入りで、若返りを考慮しつつ、チーム編成。
3年前の与那国チームの7連覇を阻んだ波照間チームは、箱根駅伝を走った田島光選手を筆頭に強靭なチーム編成。同じ離島のハンデをものともせず、見事な健脚を見せて、レースを盛り上げていた。
後半に区間記録保持者のメンバーを配置して、盤石な与那国チームに対し、アンカーで最長10キロ16区の記録保持者の田島選手を、そのまま起用しての布陣で挑む波照間チーム。
終始安定したランナーを投入して、後半を2位・3位に定着させる走力を見せた新栄町チームが優勝をかけての見事な走りを見せていた。
小雨ぱらつく陸上競技場が次第に雨脚を増やはじめた14時過ぎに、トップでゴールに到達したのは波照間チームの田島光選手だった。
アンカーが走るこの16区の区間記録保持者の実力を発揮。
そこに、両手で拝むように合掌してゴールした与那国チームの三ツ岩森之選手。
そのあと、平得チーム、新栄町チームと続いて、波照間チームが繰り上げスタートをしていたことで、ゴールがそのまま勝者とはならないため、タイムの集計結果を待って、しばらくして勝者が確定。
前半を3位で走り切り、後半が1位の計4時間46分3秒で、与那国チームが総合優勝となった。
前回優勝からの2年連覇達成。与那国チームの田島政之監督は、結果判明の直後に急いで与那国町役場に連絡。役場につなぐと、全町民への防災無線をつかっての与那国チーム勝利が伝達された模様。
「前半は不安もあったが、後半には自信があったので、予想通りの展開となってよかった。ライバルの波照間の箱根駅伝の経験者の田島光選手が強いのは知っていたので、その前でいかにタイムの貯金をするかにかかっていた。予想通り、貯金が効いて2連覇の達成できました」と、陸上王国を自負する与那国町民に優勝を連絡できた喜びを噛みしめていた。
総合優勝 与那国チーム4時間46分3秒
第2位 波照間チーム4時間53分2秒
第3位 新栄町チーム4時間53秒11秒
(流杉一行)