JA組合員感謝の集い

 7月20日午後2時から市民会館大ホールで「平成30年八重山支店事業報告会感謝の集い」が開催された。

 「組合員感謝の集い」は、2部構成で第一部では事業報告を中心に第2部では余興を実施。

 まず、役員あいさつや来賓あいさつの後、JAおきなわ八重山支店長の米盛充紀氏が、JAおきなわ全体の事業報告をしたあと、JAおきなわ自己改革取組宣言がおこなわれて、「農業者の所得増大、農業生産の拡大、地域活性化の3つを基本目標とする自己改革に取り組む」ことを宣言していた。

 このあと、八重山地区の事業報告がおこなわれた。

 まず組合員数は、5651人となり前年より102人増加し、正会員3346人準会員2305人と、増加傾向が続いていることが報告されていた。

  経済事業では、購買事業、販売事業(耕種、ファーマーズ、畜産)、農作業委託などの利用事業、加工事業、信用事業(貯金・融資)、共済事業についてそれぞれ昨年度と一昨年度を比較して報告されていた。

 このほか部門別損益計算書も発表され、当期余剰金が1億4161万5000円となったことが報告された。平成29年度事業実績が計画とともに公表され、耕種、畜産、黒糖販売で昨年を下回った以外は、全項目で昨年度の事業実績を上回っていた。

 このほか、平成30年度の事業計画も発表されていた。

 第2部では、JA女子職員による座開きが舞われて、パナパナ会による「憧れのハワイ航路」、「サンフランシスコのチャイナタウン」の舞台の後は、メインゲストのミヤギマモルのコンサートが開かれていた。

 会場には300人から400人の会員が足を運んで、感謝の集いを楽しんでいた。

 八重山では年間観光入客数の増加が、138万を越えており、農業所得の向上へどうつなげるかを、意識してこその、農業による地域振興といえる。
 
 さて、会場は多くの高齢者の参加で、大いに盛り上がっていた。農業には後継者不足の声が、以前から連呼され続けてきた。八重山のもつ独自な地理条件を見るとき、その対応は「後継者不足」の一言の連呼でいいのだろうか。

 台風銀座とされる八重山において、台風の影響が与える農業実績の上下の度合いは、工夫や対策で対処が可能なのか。まったく駄目なのか。その台風情報の正確さや、台風対策の早期の取り組みが、被害を軽度にできる部分がどれだけあるのか。その取り組みへの保険はあるのか。

 国境を守る諸島でもあり、農業とは別の角度から、八重山独自な制度の構築が安全保障の意味でなされているのか。(議論なき自衛隊誘致が進む事態は、大丈夫か。もし自衛隊基地ができたときの地下水汚染(飲料用・農業用)は大丈夫か)

 多彩な農産物を生産できる豊かな八重山の農地の利活用が、よい形で地域振興に生きているのか。一時的な観光ブームに翻弄されて、農地を失うことが進んでいないか。

  第一次産業が島を潤すシステムづくりこそ大切であり、それが真剣に進められているか。
  これまで農業は、台風に足元をすくわれてきた。それでも、耐えて続いて生きた。しかし、農業用水の汚染などの将来に起こりえる危機的な状況が、国の事業の軽急な取り組みで進んでいることこそ、JAは細かに反応すべきではないのか。大丈夫であれば安心できる。安心できなければ、将来、禍根とならないか。そこは、戻り道も絶たれないか。

  
  
 (流杉一行)

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