6月15日午前10時から八重山商工高校マルチメディア館2階で環境省石垣自然保護官事務所による高校生向けのサンゴレンジャープロジェクトが実施された。
6月8日から月2度のペースで実施されるもので、同事務所が高校生向けにサンゴレンジャーの取り組みは今回初めて。
12月まで同校観光コースの3年生向けにサンゴ学習を実施するもので、今年が国際サンゴ年であることからの取り組みとなる。
この日は2回目で、初回8日にレンジャーの業務の説明を受け、18人でなる受講生が協議して名前を決定。3年生であることからラスト女子高生(LJK)サンゴ守り隊と命名している。
今回は、ボランティアでサンゴ学習を支援する「わくわくサンゴ石垣島」が協力して、ゲームによって環境学習を深める授業を実施。
サンゴのある海域は海全体の0.1%で、そこに生息する生物の種類は全体の25%になることや、サンゴの成長は、年20センチになるものや、1センチにしかならないものがあることなど、サンゴについて楽しく学習。
講話だけでなく、ワークショップも実施。地球の陸と海の面積比3:7を、ゲームで実感するアクティビティーで、地球儀をボールにしたものでキャッチボールをし、手に取ったときに見える場所が陸か海かを記録すると、ほぼ3:7になることを実証していた。
また「どうなるコーラル」と題するゲームも実施。18名がサンゴになってサンゴの幼生であるプラヌラからスタート。成長するサンゴとなる過程で、異常海水温、オニヒトデ異常繁殖、大雨で赤土流出など、トラブルカードが引かれて、そのたびに成長したサンゴがプラヌラに戻され、成長したサンゴが、そのまま維持されがたい状況をゲームを通して実感していた。
18人がいっしょに楽しくゲームをすることで、関心がわかない内容も頭に入りやすくなるようで、サンゴの周辺事情を短い時間で習得していた。
この授業は、7月からは米原海岸や真栄里海岸でのシュノーケル実習もおこなわれる予定で、高校生向けのサンゴ学習のレンジャープログラムとして、新たな領域への取り組みともなっている。
この日、参加した仲里瑚南さんは、「サンゴになってのゲームを通じて、海水の高温やオニヒトデなどのアクシデントを経験して、他人ごとではないなと思いました。サンゴを守るために何か貢献したいと感じた」と述べていた。また「自分の名前にサンゴの字があるのもあって・・・」と、仲里さん。サンゴの漢字表記は「珊瑚」であれば、確かに他人ごとではないことに・・・。
(流杉一行)