6月2日、午後3時から南の美ら花ホテルミヤヒラの2階デイゴの間で、「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」世界自然遺産登録応援シンポジュウムが開催された。
これは日本航空、日本トランスオーシャン航空、琉球コミューターの3社が主催するもので、挨拶に立った丸川潔日本トランスオーシャン航空株式会社社長は、冒頭、琉球弧の世界自然遺産への登録申請の取り下げが、6月1日に閣議決定された件に触れ「これは後退、可能性下低くなったということではなく、確実に進めるためのもので、むしろ登録が確実になっていることを、共通認識して、今回のシンポジュウムを進めたい」と述べていた。
また、世界自然遺産登録により「乗降客が増え収益が上がるといった経済効率性のモデルとしてやっているわけではなく、あくまで地域の振興を願うもの」であり、業務とは切り離して、登録への応援をしたいという観点を述べていた。
このあと、県環境部の大浜浩志部長からの挨拶のあと、基調講演がおこなわれ、琉球大学名誉教授の土屋誠氏による「「世界自然遺産と八重山の自然」の講演と、すでに世界遺産となっている屋久島町の荒木耕治町長に「屋久島の自然および世界自然遺産となって屋久島で何が起こったか」について講演を実施した。
土屋氏は、世界自然遺産の登録へ向けた取り組みに関して、詳しく紹介。琉球弧の広範囲に広がる4つの島が世界自然遺産になる理由を解説していた。
荒木氏は、観光客の増大で、山岳部に設置したトイレの糞尿の運搬に多大な経費が
かかってきた点や、外部から移住してきたガイドが多数増え、料金が統一されないままに、ガイドの世界が地域と無関係に一人歩きをしてしまったことに触れ、世界遺産登録で発生し得る様々な課題を紹介していた。(最初の写真は荒木氏)
(流杉一行)。