人骨が多数見つかる 登野城遺跡発掘調査で

 平成30年度第一回石垣市文化財審議会が5月31日午後2時から石垣市教育委員会2階ホールで開催され、審議委員の石垣博孝、石垣久雄、松竹喜生子、東田盛善、大田静男、砂川哲雄、宮良断、島村賢正らが(敬称略)出席して、今年度の主要事業についての説明を文化財係と記念物係の両係から受けた。

文化財係からは文化庁の補助事業である平久保のヤエヤマシタン保護増殖および名勝地の川平湾および於茂登岳保存活用計画策定事業と、沖縄振興特別推進交付金事業として石垣市内文化財環境整備事業について説明された。

 また記念物係からは、史跡フルスト原遺跡保存修理事業や市内遺跡発掘調査事業が文化庁の補助事業として実施され、沖縄振興特別推進交付金事業として大浜地区歴史遺産活用事業が実施されていることが報告された。また、開発者協力による事業として市内遺跡発掘調査が登野城67番地で実施されており、人骨が多数発掘されている。

 委員らは、文化財および記念物の担当とともに、現地視察を実施。市内遺跡発掘現場から天然記念物パトロールの現場および、川平湾周辺、宮鳥御嶽などを見て回った。

 市内遺跡の発掘現場では、4体の人骨に、新たに4体が、そして、ほかにもいくつか人骨が発見され、埋葬の様子がよくわかる遺跡となっている模様。

このほか、防空壕と思われる岩盤を砕いて、空洞をつくったあとが見つかり、そこはなお細かな調査が必要となっている模様。

人骨は分析を委託して調査する予定。

 このほか石の囲いによる墓や、青磁皿が出土したほか、勾玉も発見されている。

 昔の人が遺した足跡が、あるがままに発掘される魅力が、市街地全般に広がっていることを考えると、島の宝の上に暮らしていることを実感する。
 

 (流杉一行)

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