夏を前に水難事故防止協議会開催

 3月15日午後3時半から八重山署で八重山地区水難事故防止推進協議会が開催され、役員を務める関係機関の関係者が一堂に集い、昨年の水難事故の発生状況を把握し、各機関・団体の取り組み状況を報告。そして、平成30年の1月から12月の活動計画案を発表。承認を得ていた。

 交通事故死者のゼロを2年5ヶ月更新する中、水難事故は毎年発生し、しかも増加傾向で、観光客の増加に伴う、海のレジャーの危険性と、痴呆症関係での事故死や、原因不明を含めて、厳しい状況を出席者が共有。

 その一方で、ライフジャケット着用の呼びかけや危険な海での注意喚起など、広報活動が中心となっているだけの心許ない対策に見えてくるが、事務局はそういう声も出さず、交通事故死ゼロを引き合いにする。

 水難事故数18件、死者数8人と厳しい数字が出ていても、取り組みが現状維持に見えて、どこか熱が伝わらない協議会に映る

 記者が思うに、これから、石垣市長はなおも観光客を増やそうと、港のバース拡張、滑走路延長と、取り組み旺盛な姿勢。観光従事者のへとへと感に加え、事故で駆けつける消防団員を想像すると、何かを忘れている。加えて西島が世界遺産となれば、世界からなおも殺到する観光客を思えば、すでにしなければならない話が出てしかり。

 誰もが、繁忙すぎる状況が、この関係機関の間でも言えるかも。口には出せないが・・・。

 交通事故は、マナーが軸だが、海の事故は、まず海という危険地帯でのものであり、その備えは必須のもの。観光が持つお客様意識が優先して、誰もが気軽にという商売観点が、海へのアクセスを簡単に考える状況にないか。

 参入の自由な観光業者の横行と似て、危険な場所へ入る観光客を見過ごす傾向は生まれていないか。接し方が都会的になる傾向が、事故につながっていないか。

 議論できる余裕を持てる地域振興が大事で、ただ観光客を寄せることだけに終始するようでは、その先の進展はないのでは。
 

 (流杉一行)

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