4296票差で中山義隆が市長選挙制す、3期目の当選

 3月11日の石垣市長選挙は、現職の中山義隆氏が宮良操氏と砂川利勝氏を抑えて、1万3822票を獲得して当選。宮良氏は9526票。砂川氏は4872票。

 保守系からの2人の立候補で、不利なスタートとなり、革新派から一人の出馬で、宮良氏には有利な展開と見られていたが、革新派のいつもの得票数の約1万1000票には届かず、前回市長選挙で約1万6000票を獲得していた中山氏は、今回保守派が割れた影響で、砂川陣営が保守派の票を持ち去ることで、厳しい局面を予測しての選挙戦だった。

 ところがふたを開けると、これまで盤石な組織の票をもってきた革新派は、今回では1万票にも届かず、逆に中山氏は、前回の保守票約1万6000票から約2200票減らした1万3822票と、砂川氏へ流れた保守票は予想を下回って見える。

 宮良氏の革新勢力の支持者には、高齢化の波や鬼籍に入る人の増加もあり、また前回まで泥臭い選挙戦を担った幹部の引退も影響したと見るむきもある。

 約4300票の大差で市民からの市政継続の付託を得た中山氏は、3期目をいかに取り組むか。中央との太いパイプをアピールしてきただけに、今後の期待も不安も、中央政界との連携を抜きにできない。

 長かった内原英郎時代や大浜長照時代から、かつては革新の島とされてきた石垣島だったが、その後退の勢いは否めない。逆に、全県での辺野古基地反対基調でまとまる、これまでの保革を越えたオール沖縄から、距離置く石垣島のイメージができつつあり、真逆の様相となってきた。

 今後の中山氏の自衛隊問題に関する言動が、今後大いに注目されてくる。

 さて、次に来る9月の市議会議員選挙と知事選への影響は、言わずもがな。この流れはどう今後の選挙につながるか。注目がなお次なる選挙に集まる。自衛隊推進を強力に進めたい勢力にすれば、生ぬるく感じる市長に対し、いかなる姿勢を見せるか。

 また、割れた保守の修復も課題となる。市議会での保守勢力の与党内外での混乱も見えてくる。そこは来る市議会議員選挙がクリアにしてしまうのか。より一層の混乱をもたらすか、波乱は続きそうな雲行きだ。

 なお3月11日の市長選挙と同時の行われた市議会議員補欠選挙は、米盛初恵氏と花谷史郎氏が当選した。米盛候補が1万2932票、花谷候補は9854票を獲得。落選した黒島孫昇氏は4718票だった。

(流杉一行)

この記事をシェアする