3月6日午後2時半から石垣市のアートホテル石垣島の星砂の間で第11回石西礁湖における航路整備技術検討委員会が開催された。
これは平成23年度から実施されてきた石西礁湖における航路整備にともなうもので、八重山の豊かなサンゴ礁が広がる石西礁湖において、いかに環境負荷を逓減して航路整備を進めるか。その工事における技術の検討が入念におこなわてきている。
あと、2年となった平成30年は、世界遺産の指定を受ける直前でもあり、これから環境への負荷をかけない工事の実績に注目があつまりそうなタイミングでもある。
委員会は、津嘉山正光琉球大学名誉教授、香村眞徳琉球大学名誉教授、灘岡和夫東京工業大学大学院情報処理工学研究科教授、岡本峰雄元東京海洋大学大学院海洋科学技術研究科教授、鹿熊信一郎沖縄県海洋深層水研究所所長が国交省およびコンサルの報告を聞き、内容に関する質問や注文および、実情の詳細調査依頼などをしていた。
前回第10回の同委員会における主要意見と対応方針が事務局から報告されたほか、浚渫施工の実施報告や移設サンゴの状況および航路埋没の可能性の検討がおこなわれたほか、航路整備技術記録も示されていた。
また現状の沖縄県による航路整備状況が発表されていた。
石西礁湖で素潜りで漁をするウミンチュらは、海の濁りの状況を深刻にとらえる人もいて、サンゴの生育に影響しないわけがないと悲観する声があるも、同会議には彼らの傍聴の姿はなく、淡々と話しは進められていた。
水産資源の場であり、観光には大事な海であり、自然環境すべてが世界遺産指定を受けようとする中で、この航路整備が持つ意味合いは、まさに自然優先か、事業優先かの事態を示す取り組みそのもの。
注目度は上がりそうとみる向きがある。
(流杉一行)