重症のアレルギー疾患もつ子どもとその親のツアー会議

 3月5日午後2時半からビーチホテルサンシャインで、重症アレルギー疾患をもつ食物アレルギー患者の子どもをもつ親と子の観光ツアーが発表された。

JAL・JTAで行く沖縄! 食物アレルギー対応ツアーin石垣3日間と記され、出発日は4月1日で募集定員は37名。

この日、この親子に提供する食事7食分のメニューが発表され、その試食会もおこなわれ、問題点の指摘がおこなわれたほか、調理器具を洗浄し方から、厨房を別にする体制でその食物アレルギーに対応。一点の曇りなく、徹底した対応をするべく検討を実施していた。

 食物アレルギーの子を持つ親の会の武内澄子代表により、メニューの検討が図られて、アレルギー反応してしまう食品原料に触れた調理器具や食器の徹底した洗浄など、極めて丁寧な対応を要求。


(写真中央は、熱心に話をする武内澄子代表:食物アレルギーの子を持つ親の会)

それもそのはずで、今回参加の子どもの15人中14人がエピペンと呼ばれるアドレナリン自己注射に備えるアナフィラキシー症状持つアレルギー患者で、症状が出て30分以内に病院に着かなければ亡くなる可能性が高い重篤な食物アレルギー。

 エピペン注射で30分のところを加えて15分延長ができるために、いつもこのエピペンを所持しており、この所持するアレルギー患者は特別で、極めて慎重な対応が必要。

この危険性のために旅行を知らないまま育ってきた子どもたちでもある。

 JALは、2010年4月から沖縄県で日航アリビラで参加40名限定の食物アレルギー対応ツアーを実施。

2014年3月には北海道のニセコヒルトンビレッジで、2015年は沖縄のJALプライベートオクマで、2016年7月、兵庫の城崎温泉西村屋ホテル招月庭で、2017年は沖縄カヌチャリゾートで実施して来た。

企業のコーポレート・ソーシャル・リスポンシビリティーを発揮させるべく、今回、八重山の離島での実施ははじめて決行。入念なチェックはそのためでもある。

 武内氏は「今回、離島での対応が可能となったのは、石垣島に24時間救急対応ができる病院があること(石垣島徳洲会病院)。これに八重山調理師会がメニューを、ビーチホテルサンシャインが調理場および施設面での対応を承諾したこと。この3点で実現しました。」と、述べていた。

 同ホテルの赤城陽子総支配人は、「空調も館内一括したものから客室専用エアコンに設置変更し、厨房は専用を用意。フローリングは丁度変更のタイミングでもあり、新調できた。今回の受け入れは、八重山調理師会の承諾が後押しになった。」と述べていた。

 メニューに取り組むのは八重山調理師会(川平展人会長)。料理に挑むのは、ホテルの料理長の安里昇氏、料理人の前田直樹氏、八重山調理師会理事の伊藤未来氏の3人。

 このツアー対応の経験から修学旅行での対応の甘さを実感するホテルも出てきておりく、ツアーのあとは、修学旅行への対応に変化が見られという。

 武内氏は「重篤なアレルギーを持つ子どもばかりではなく、旅行をする子どもの大半は軽度で、この経験からアレルギー対応に自信が出てくるようです」と、ツアーの受け入れでメリットも生まれる模様。
 

 
 (流杉一行)

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