16日祭(ジュウルクニチー)

 3月3日は旧暦の1月16日。八重山では16日祭(ジュウルクニチー)のために休業する店が多く、平日にもかかわらず商店街でシャッターが下りた一角が現れるなどしている。

各家庭では先祖に捧げる供物を用意して、家族揃って墓に向かう人が墓地に多数あつまり、墓地周辺の沿道は駐車する車列が続いて、日頃は見られない光景となっていた。

 佐古達男さんが当主の佐古家のお墓には親族10数名が、供物となる料理を手に集まって、墓前は多彩な手料理が並べられた。

皆揃うと、手を合わせて墓前に向かい、一斉に静かに祈りを捧げていた。そのあとは、先祖との会食となり、捧げた料理を墓前から下ろして、皆で楽しい会食のひとときを過ごしていた。

まだ幼い孫の恥ずかしがる可愛い仕草で盛り上がり、また名護で開かれているバスケットボールの大会に八重山選抜として派遣されている孫の話題が交わされ、華やいだ雰囲気が漂っていた。

3月3日のひな祭でもあるだけに、幼い孫に「ひな祭りの唄」をと水を向けると、可愛い声で歌い始めて、見守る親戚一同耳をそばだてて、可愛い声に聞き入り、楽しい時間を過ごしていた。
 
 あの世の正月とされる16日祭は、祖先とともに、墓で会食し、新年を祝うものとされ、どこの墓所も多くの車で溢れていた。

(流杉一行)

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