水資源管理などで来島したJICA研修員が市長表敬

 8月2日午前9時半から石垣市長に表敬訪問したのは、JICA研修員一行9名と同行者4名。研修テーマは「島嶼における水資源管理・水道事業運営」で、9名が南太平洋の国々から来島。マーシャル諸島共和国、ミクロネシア連邦、独立国サモア、トンガ王国の4カ国からで、7月5日から8月11日までの38日間、島嶼における水資源管理・水道事業運営を学ぶ。各人は各国の中央および地方で水道事業分野に従事する行政官もしくは環境団体職員で、研修を通じて、島嶼地域に適応性の高い水資源の保全管理および効率的利用に関する幅広い知見を獲得できるようプログラムされており、母国の水資源分野の人材育成に資するように取り組まれている。

 沖縄県における水資源管理政策の概念を理解し、水源保全管理手法を理解し説明ができるようになり、生物浄化法による小規模浄水手法の制作実習を通じて基礎理論を理解。水道事業の運営管理について概要が説明できることが目標となっている模様。

 島にとって大切となる水資源は世界共通。西表島や石垣島での山岳部があることで満たされている水資源。南太平洋の島々が、天然の水にだけに頼るのではなく、資源管理と運用方法で、豊富に水を供給できるシステムを求めて、日本で研修する意義は大きい。水資源に課題持つ国の関係者が研修に石垣島を訪れたことをきっかけに、南太平洋との将来的な関係づくりにも反映されれば、また有意義さもましてくる。現時点で、観光ブームから水資源の将来不安が出ている石垣島でもある。島のあり方を考える上でも学ぶものがある。

 この日、挨拶に立ったセメンズ・デービッド(ミクロネシア連邦上下水道・エンジニアリングサービス部配管技師)氏は、「市長および関係者に敬意を称し、短い滞在期間ですが水のシステムを学ぶとともに、様々なことを学び、かつ沖縄県、日本との固い絆を構築できればいいと思う」と述べた。島の印象を聞くと「石垣島の人は親切な印象を受けた。気候はミクロネシアより沖縄は湿度があって暑いです」と、意外な返答もあった。

(流杉一行)

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