3月25日午後2時からドメスティックバイオレンス防止について考える講座in八重山が大浜信泉記念館多目的ホールで実施された。
この日、加害者として更正に取り組む男性Aさんが自らの経験を語った。DV加害者更正相談室の研究員の名嘉ちえりさんは、Aさんが話せる場をつくるために、冒頭、参加者に居合わせている隣の3人と名前を言って挨拶をし、握手するようお願いすると、参加者は皆、笑顔で隣の人と挨拶をして回り、打ち解けた空気をつくっていた。それからAさんの生い立ちから、非行に走るきっかけ、そして幼くして覚醒剤に染まった身の上の話が赤裸々にはじまった。暴力と覚醒剤の日々で、やがてやくざになってしまう。その世界からも覚醒剤による逮捕で出されて、兄の勧めで沖縄ダルクへ連絡を取る。そこでの我慢の日々がやがて変わらなければという気持ちに変わったという。ダルクで自分よりも大事に思うような「一人だけ助ける人」を持ちなさいと言われ、探して見つけたという。その人のためならと思えるようになったという。
講話の後、質問コーナーが設けられ、涙なしには聞けなかったという女性は、身近にギャンブルから抜けきれない人があり、どこへ相談すればいいかわかないという質問や、薬物撲滅に取り組む男性から、生の声が聞けて、覚醒剤の怖さがよくわかったと、赤裸々な話が聞けたことに感謝する声があがっていた。
名嘉さんは相談先の質問に答えて「八重山には断酒会があり、そこでは断酒に悩む人が取り組んでいる。そこは酒だけだが、実は酒もギャンブルも覚醒剤も、同じ傾向がある。八重山保健所へ相談するのがよいのではないか」と助言。Aさんも、「みんなで取り組むのがよいと思う」と、仲間で取り組むグループへの参加を助言していた。
(流杉一行)