3月20日、八重山漁協の新栄漁港でピラニアのお化けのような魚が揚がっているのを見かけた。聴けば返ってきた名前が「エチオピア」。エチオピア出身者がいれば、気分はよくないかもしれないが、他の魚種の容姿に比べて遙か彼方からやってきた異国情緒が激しく漂う、まさにエチオピア。ピラニアはアマゾンだが、エチオピアはアフリカで、これら共通するのは遙か彼方ということ。
正式な名前は、ヒレジロマンザイウオ。白身の魚で、あっさりした味から天ぷらによくつかわれるという。
あっさりしていれば、料理には使いやすい。目立たない旨さからすると、どちらかといえば、命名のうまさが際だってくる。ううむ、見事な命名のエチオピアだ。誰が付けたか不明だが、その人に拍手したい。
(流杉一行)