4年ぶりの大盛況復活の石垣島 四カ字豊年祭

 石垣島最大の伝統行事、四カ字豊年祭のムラプールが8月6日午後3時から石垣市新川の真乙姥御嶽で開催された。

 コロナ禍により2019年以来中止されてきた四カ字豊年祭のムラプールがはじまり、4年ぶりに会場は大きな賑わいに溢れていた。

 式典の後、字新川の奉納がはじまった。まず旗頭の田頭、矢頭の奉納がおこなわれたあと、字新川の巻き踊りの奉納がスタート。シルシバタ、グクと呼ばれる稚児捧げ持つ旗と籠の五穀が登場して、巻き踊りの先頭を飾り、白衣、白鉢巻きに扇を持つ姿で4人の婦人でなるミズヌスが舞い、ユームツ、ウヤジュウと呼ばれる新川字会長ら役員と村の長老が合掌してヤ-ラーヨーを歌いながら入場していた。このほか、ザイ、ツヅン、イニスリ、ユラス、アズン、マスタティ、ターラグ、ガキバライ、ターウツと、それぞれが神妙に真乙姥の神に舞を奉納していた。

 このあと、会場にはこの日のために集まった四カ字周辺の字および町内、そして農業関連団体、農業関連学校などが集結して、順に旗頭と奉納芸能を実施。双葉、大川、石垣、登野城、JAおきなわ八重山地区、石垣島精糖、石垣中学校、東京八重山会と、各団体の旗頭が登場していた。

 集まった人々は、真乙姥御嶽の神に生五穀豊穣と無病息災を神に感謝し、来夏世の豊穣を祈願していた。

 旗頭や舞踊の奉納が終わり、五穀の種子授けの儀式のあとは、女性らだけで行われるアヒャー綱が行なわれた。

 今回は綱を結わえる役となるブルピトゥ役に選ばれた仲唐みき子さんが、神司から貫き棒を受け取ると、「サーサーサー」の掛け声で会場は大いに盛り上がり、各字の女性らも加わって、儀式を盛り立てていた。

 四カ字豊年祭の儀式はここで終わり、このあとは新川の番所があったとされるエリア近くのツナノミン会場へ綱を運んで、ツナノミンと大綱引きがおこなわれた。

 コロナ禍だけでなく、台風6号の影響で4日から6日に変更される位に、敬遠続きだった四カ字豊年祭のムラプールでもあり、待望感は尋常でなかったか、この日、このツナノミン会場に集まる人の数は破格で、稀に見る盛り上がりは4年ぶりの復活を心待ちにした人の思いが感じられるものとなっていた。
(流杉一行)

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