追悼石垣金星 「生生流転」上映会

 7月16日午後2時から石垣市民会館中ホールで、シネマトグラファーの仲程長治氏のドキュメント映画作品「生生流転(せいせいるてん)」と「特別編 宵の明星」の上映会が、Us4 IRIOMOTE主催により開催された。

 「生生流転」は2021年7月にリリースされたドキュメンタリー映画で、石垣金星・昭子夫妻氏を通じて西表島の大自然と農耕・工芸などの人の営みを、奥深く踏み込んで編んだ映像作品で、完成時がコロナ禍だったことから、ネット上で誰もが無料で見られる動画配信を主催者は実施してきた。

 2022年6月30日に亡くなった西表島の石垣金星さんを悼んで、上映会の開催を望む声が、主催者のUs4 IRIOMOTEに集まったことから、今年2月に北海道の知床で上映会を初開催。6月には一か月間、東京・田端で実施され、今回、石垣島での開催が実現。明日は西表島での開催が予定されている。

 見事な西表島の映像が展開するほか、石垣金星の珠玉の語りが光り、見る人を魅了するドキュメンタリーは、この日、会場の中ホールを3回の上映ごと満席にしていた。2回目と3回目には特別編が上映され、「宵の明星」と題されて、金星氏の映像を増やし、イリオモテヤマネコの映像も多数出されて、内容も濃いものとなっている。

 1回目と2回目の間には、主催者のUs4 IRIOMOTE事務局の松島由布子さんと石垣金星氏の奥さんで工芸家の石垣昭子さんと、同映画の監督の仲程長治さんとの3名でのトークショーが実現。会場を沸かせていた。

 映画製作での感想、裏話など、映画を通じて伝わった石垣金星氏以上に、直に接してきた人による声は、石垣金星氏の人となりがより深く伝わり、意義深いトークショーとなっていた。

 会場に訪れた菅原とき子さん(石垣市大川在住)は「西表島の自然と石垣金星さんの生きざまがよくわかる映画で、観てよかったです。金星さんのCDにあった曲に『生き物も人も、島とともにあらしょうり』と唄う部分が気に入っていたので、(それが映画に出てきたので)金星さんそのままの映画だと思いました」と、感想を述べていた。
 
 なお、7月17日は、西表島・中野のワイワイホールでも午後6時半から上映会が実施される。

 (流杉一行)

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