18日、与那国で図書贈呈式 川平成雄さん悼む図書募金の会が会見

 7月17日午後2時半から、大濱信泉記念館研修室で、川平成雄博士記念コーナーを設立する会による記者会見が行われた。

 これは、昨年7月17日に逝去した川平成雄氏の業績を顕彰するために、10人(大田静男、川平康雄、高嶺善伸、桃原用昇、波照間永吉、比屋根健、真地保考、宮城信博、八重洋一郎、上江洲儀正:敬称略)が呼びかけ人となって9月26日に結成された「川平成雄博士記念コーナーを設立する会」が、11月から募金を開始した結果報告と、図書贈呈式について発表するもの。

 与那国町では町民が活用する図書館がなく、昨年8月2日に島仲公民館内にはじめて与那国町立の図書施設をオープン。

 与那国町立図書室の名で町民への公共サービスがはじまったこともあり、有志らはふるさとを愛した川平氏の思いを勘案し、与那国町立図書室に川平成雄博士記念コーナーの設立を目指して、同会は9月に会を立ち上げ、11月20日から募金を開始したもの。

 この日、波照間永吉会長からこれまでの経過報告があり、比屋根健氏から募金の結果報告がおこなわれ、128人から募金がおこなわれて、目標金額の110万円から少しオーバーの120万円を達成。8割が石垣島の募金額だったことを報告。集まった資金は、事務費用にかかった10万円を除いて110万円が図書約500冊の購入と地球儀購入に回された。

 書籍の選考は、同会からの指定はなく、絵本や学校図書、沖縄関係書籍など、広範囲な書籍の精通者に依頼して選んでもらったとのこと。

 なお18日午前11時30分から与那国町立図書室で贈呈式が予定されているとのこと。

 そこでの取材も集まった記者に依頼していた。

  寄贈されるのは、絵本27冊、一般書65冊、子ども向けのブックスタート84冊、日本絵本書99冊、そのほか児童・中学向け54冊、与那国・八重山関連書類70冊、川平成雄書籍5冊、沖縄大百科、沖縄民俗辞典などの古書6冊、直径46センチの地球儀1台、月刊やいま(8年分)の内訳。

 新しい図書室に新しい書籍500冊と地球儀が並ぶことになり、与那国の子どもたちに新しい書籍・地球儀に接してもらい、読書家が増え、世界を目指して羽ばたける人材が生まれることを、同会は願っている模様。

 この日に会見に出席した6人は、左から川平康雄さん(71)、八重洋一郎さん(80)、波照間永吉会長(72)、高嶺善伸副会長(72)、比屋根健さん(76)、真地保考さん(73)。
 司会は上江洲儀正さん。

 川平成雄さんには、4冊の著書があり、「沖縄・一九三〇年代前後の研究」(藤原書店・2004年)、「沖縄 空白の一年 1945-1946」(吉川弘文館・2011年)、「沖縄 占領下を生き抜く 軍用地・通貨・毒ガス」(吉川弘文館・2012年)、「沖縄返還と通過パニック」(吉川弘文館・2015年)で、共著には「戦後沖縄生活史事典 1945-1972」(吉川弘文館・2022年9月1日)がある。

 (流杉一行)
 
 
 

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