カツオ船始動 今期初のパヤオ一本釣りは1・5トン

 6月30日午前11時頃、石垣市新栄町の八重山漁協の岸壁に第一源丸が入港して、今期初のパヤオでの一本釣りによるカツオの水揚げがおこなわれた。

この日の漁獲は約1・5トンで、昨年も初パヤオ漁は7月1日と遅い出だし。これはエサ不足が原因で、一本釣りの際のコマセとなるエサがグルクンの稚魚で、これがないと漁に差し障るため、このエサの確保が今年も昨年同様にできなかった。

なぜ、グルクンの稚魚が八重山に寄ってこないかについては、地球温暖化が懸念されるところ。最近、日本海でグルクンが獲れたり、小笠原でスクが現れたりと、これまでにない異常現象が起こっているらしい。

関係者はグルクンの稚魚が「宮古島でも寄ってきていないと聞いた」という。

元来カツオの一本釣りの漁獲は、6月から始まる季節を感じさせる風物詩だった。

ホンマグロ漁がユッカヌヒ前に終了して、そのあとカツオ船だったが、これがいつの間にか6月上旬に早まって、ホンマグロの最後の方は地元にも回る時期でもあり、加えて新鮮なカツオも出回るダブルのいい時期だった。それが八重山の海の味覚の6月だった。

それがエサ不足で遅れたカツオ漁。それでも消費者にとっては、なにより新鮮カツオが食べられるようになったこと自体が、実にうれしい限り。「待ってました! 」と言いたいところ。

(流杉一行)

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