2月14日午前8時半から石垣市伊原間の船越漁港の公園に沖縄猟友会石垣地区(石垣克治地区長)による共猟がおこなわれ、約20数人が集まった。
解禁の11月15日から月一度のペースで共猟を実施。大勢で山に入り、イノシシを仕留めてきた。今期の狩猟期間が2月15日までとなるため、この日が最後の共猟となる。
円陣で囲んで地区長が挨拶した後、この日の猟場を伝えて、班に分かれて配置を決めていた。この日は牛のセリがあるために、参加できない人が多く、いつもより少ない人数での猟となっていた。
伊原間の山すそに配置された猟友らは、持ち場を無線で確認。しばらくすると南側の原野から猟犬を放って、イノシシが追われて山側に来るところをねらう算段。
耳を澄ませて、犬の鳴き声を待ち、猟友らは持ち場でイノシシが現れるのを待ち続けていた。
この日は、参加者が少ないため猟犬も少なく、イノシシをキャッチしてもなかなか山側に上がってこない。同じ場所を往復する猟犬の様子から、イノシシは猟友の存在を察知しているかに、上手に移動し続けている。
この日は、午前中で終了予定が、一頭もものにできなかったことから、皆で粘っての猟となった。
結局、1頭を捕らえた。桃原さんが半矢(手負い)にして、大ベテランの岡崎さんが急所を命中。
70キロ以上あると思われる大きなイノシシで、この日活躍の猟犬2頭が牙に切られており、難物の大物を仕留めたこととなった。
この日、猟犬3頭が追い詰めても、動じないイノシシに、素早く駆け付けてイノシシを仕留めた岡崎さん。
「みんなのおかげですよ。やはり、こわいよ。半矢(手負い)のイノシシは襲ってくるから。猟犬の声で様子を察知して、どう動くかを勘を働かせて、瞬間に読まなければいけない。」
と、難しさを教えてくれた。犬の吠え方で状況をつかみ、どう対処するかを決め、無線で猟友へどう動くかを交信しながら、風向き、地形と獣道の方向、犬の動きを見ながら勘を働かせるという。
山側で見下ろしていた山村さんは、「犬に追われるイノシシが一瞬だけ左に曲がった瞬間に、犬とイノシシが離れて、そこで打てる一瞬に仕留めた」と、岡崎さんの様子を語っていた。
犬がいくら吠え、唸っても、70キロあるイノシシは修羅場をくぐった経験があるのか、動じない。空包を放ってもダメ。犬3頭で70キロサイズのイノシシでは、犬も少し怯える。
イノシシは、草むらから出ていけば撃たれることがわかっているようで、なかなか出てこなかった。
そこで、岡崎さん。人が近づかないと出てこないことを察知して、無線で近くの猟友にひとりで行くことを通知。そして走り込んだ。
すると逃げ出したイノシシ。犬が追う。イノシシをねらうと犬が危ない。と、イノシシ一瞬左へ曲がる。その瞬間に決めた岡崎さんだった。
(流杉一行)