石垣里八さん(71)が21年間福祉問題をテーマに発刊してきたミニコミ・月刊石垣ニューズレターを、石垣市立図書館への寄贈することになり、12月24日午前11時、石垣市立図書館視聴覚室で、その寄贈式が行われた。
冒頭あいさつに立った石垣里八さんは、「図書館では、調べ物で活用させてもらった。石垣ニューズレターは、兄や妻など様々な人の支援もあり、発刊で来た。双葉公民館にはお世話になってきたので、写真や資料の提供も実施してきた。」と、ミニコミ発刊活動を通じて地域活動への貢献にもつなげていたことを述べていた。
このあと石垣安史石垣市教育長へ3巻でなる石垣ニューズレターが、石垣里八さんから手渡された。
石垣教育長は、「月刊石垣ニューズレターは、点字ブロックの設置状況やスロープの必要性など、石垣の市街地の状況を見て回り、バリアフリーの必要性を訴えてきた。身体障害者スポーツ大会や八重山身体障害者定期総会の様子のほか、身障者の雇用状況など、身障者の視点から様々な問題を取り上げてこられた。」
と述べ、里八さんの車いすからの目線で、石垣市のイベント、道路の状況を見て、気づいて感じたことを掲載したほか、里八さんが訪れた歴史ある場所の紹介など、バラエティー溢れる紙面づくりで、21年間の郷土の歴史を綴った貴重な資料となるものと思われると述べていた。
1992年12月から発刊され、6年前の2014年までの約21年間、障がい者福祉を中心に様々な紙面を展開。
障がい者自身が出すメディアとして注目を集めてきた石垣ニューズレターは、当時からカメラを手に取材現場で記者との接点も旺盛。里八さんの足でもある電動車椅子を駆使して、時にビデオカメラも用意するなどして、ビデオ取材にも入れ込む熱心さ。
当時、高齢化社会の到来が騒がれ、車椅子を活用する人口が増えることから、身障者にやさしい街づくりが、多くの高齢者にも大切な要素と、石垣さんは提唱していた。
石垣市福祉のまちづくり条例づくりにも積極的に参加して、福祉行政にも様々に提言している。
なお、石垣教育長は、ミニコミが綴る島の歴史は、石垣市の細部の歴史でもあり、記録的な価値があるとし、ひとつの方面での個人での活動記録を推奨していた。
(流杉一行)