落ち着く兆しありか 病院クラスター37人

 10月21日午後4時半から八重山合同庁舎5階研修室で第47回八重山地域新型コロナウィルス感染症対策本部会議が開催された。

  会議後の記者団のぶら下がりで、国吉秀樹保健所長から、「この日の陽性の発表は4人で、その内訳は昨日の5人の陽性の公表後に、3人増えたことと、21日新たに1人が陽性となったこと」が述べられた。

 昨日の3人は、かりゆし病院の患者の80代女性、同病院職員の20代男性と同じく同病院職員の50代男性。

 21日の陽性の人はかりゆし病院患者で80代男性。

 この日は、昨日石垣入りした国立感染症研究所の小林祐介医師と笠松亜由医師も昨日に続いて同会議に参加。

 小林医師は、今回のかりゆし病院のクラスターの発生源が9月下旬の可能性が高いと述べつつ、確証を得るのは難しいとして、引き続き発生源の調査の継続を述べていた。

 また、宜野座事務所長は、9月下旬ともなると、14日以上経過していることを考えれば、病院へウィルスを持ち込んだ人があったとしても、ウイルスは消えている可能性が高く、その人からほかの人へ感染があって症状が出れば、コロナ外来にかかるはずで、今のところ、コロナ外来でPCRを受け陽性が出ている人はないため、発生源からのものはあったとしても、感染はしていない可能性はあると述べていた。

 この日は、103件の検体から1人のみの陽性の判明で、陰性が102人と、関係者を安心させる材料となって、クラスター終息の機運が感じられた。
 
 が、現状で八重山病院への入院者数が22人と増えており、定員を越えての無理な対応が始まっていることになり、病院対応は厳しい状況に変わりがない。

 (流杉一行)

10月22日の追加アップ

まだ増える陽性 病院クラスター40人に 県議視察で嫌疑 

 10月22日午後4時から八重山合同庁舎2階大会堂で第48回八重山地域新型コロナウィルス感染症対策本部会議が開催された。

 20日の行政検査80件から3人の陽性が確認され、陰性が77人。70代女性二人に80代女性一人。

 八重山病院には22人がすでに入院しており、そこに3人がこの日入ることになる。病院連携を踏まえつつ、目下、調整中とのこと。かりゆし病院関係では40人クラスターとなっている。

 この会議の直前に、県議の陽性患者確認の一報が舞い込んできた。

 去る18日から21日にかけて宮古・八重山を視察した県議会野党会派のメンバー18人のひとり、座波一議員が新型コロナウイルスに感染したことが判明。

 県議団の八重山での当日の動向が気になってくる。

 メンバー18人は、18日に与那国島、19日に石垣島、20日に宮古島で各1泊して21日に解散。座波氏は21日に帰宅後37・5度の発熱。22日にも37・6度の発熱から病院へ連絡。PCR検査で陽性が確認された。

 21日の発熱なので、基本2日前の感染とする見方があり、発熱までの間はウィルスを拡散した可能性も出て来る。すると、石垣島に当たってしまう。そして宮古島も。

 石垣島では石垣海上保安部、巡視船「いけま」、竹富町役場、市役所、県八重山合同庁舎と、各地を巡り意見交換をしている。記者も取材。県職員から市町の職員も対応。

 皮肉にも八重山地域新型コロナウィルス感染症対策本部会議の開催場所である八重山合同庁舎2階大会堂にも来て、1時間半ほどいたというのだから、呆れる。

 八重山のコロナ禍への対策を休みなく取り組んでいる人々の集まる場である。議員らはどんなことをしたか自覚を持つべき。事務局もしかり。八重山病院長からかりゆし病院長、八重山保健所長と、コロナ対策の中枢が集まる場で、出張がなければ市長も出る場所だ。

 また20日は、那覇で沖縄県離島振興協議会が開催され、八重山の3市町長とも、那覇へ出張して不在。市町村の首長がいない時に、県決定機関の県議会議員団が、このコロナ禍の中で訪れる理由が、離島振興の実情視察だとすれば、あまりに泥縄。

 那覇で離島振興協議会が開催されている最中であれば、まず3市町長とともに共有するものは、そこにあるのではないか。

 一歩譲って、コロナ禍の中で、勇気をもって離島へ足を伸ばしたことは、離島の住民からすれば、評価して良いことかもしれない。

 であれば、厳重なコロナ対策が必須のはず。そして、オンラインではできなかったことをきっちりやった証を見せてほしい。

 海保も含めて、八重山の重要な要人、要所を巡回するのだ。出発前にPCR検査後に行われておかしくない訪問。

 それがないとすれば、緩みはなかったか。コロナ禍の中で、観光客が持つようなGOTO感覚で移動していたのではないかと、いぶかってしまう。

 全国的に、人口比で見た場合の沖縄県の陽性患者の輩出率の高さは、気になっていたが、県会議員らによる公的な活動に陽性者が出るなど、これ以上の汚点はあるだろうか。
 
 県をまたぐために、肉親の葬儀にも出ることも断念した人から、どんな風に見えるかだ。そして、経済的な心配が多くの人にのしかかっている。先も見えない。GOTOを利用できる人は恵まれた人。格差は開くばかり。そこで特別公務員の罹患である。

 八重山保健所の説明では、罹患した人の保健所が事態の把握を担うとして、そこは南部保健所が担当となる模様で、南部から今のところ八重山保健所への問い合わせはないとのこと。

 八重山での濃厚接触者の特定の可能性がでてくるかどうかは、南部保健師所の判断で決まる模様。しかし、南部にしても、特別公務員たちに、日々の取り組みに加えて、視察がきっかけでお荷物を背負わされるキツさはないはず。

 まず、県議会議員は罹患の可能性を素直に明らかにするべき。

 しかし、特別公務員を県職員が調べることに限界はないか。疑わしい濃厚接触に関して、県民の目を代理するように、厳しく事情の説明を求めるとは思えない。このシステムには欠陥があるように思えて来る。

 今後の焦点は、いっしょに同行した県議への陽性嫌疑が、いつ晴れるか・・・否、座波議員の感染元への嫌疑。

 そう、県議は県民の側が持つ嫌疑をどう晴らすか。そこだ。

 高齢者へ感染して、死者が出ている現実がある以上、公職者が陽性になることの重さを知ってほしい。

 そして提案だが、全特別公務員の視察予算は封印して、オンライン視察の機材費用に回すべきでは。(離島に配備するべき機材)
 いろんな意味で、コロナ禍が生んでいる行政の余り予算を、有効活用に動くべきでは。

 (流杉一行)
 

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