コロナ禍の下、開催が危ぶまれた令和2年とぅばらーま大会が、9月29日午後6時半から新栄公園で開催された。
この日は、新型コロナウィルス感染防止のために、整理券を発行。一人5人分の書く欄がある券で、会場は220か所に区切った升が設定され、一券ごと升に入って5人までが入れる形。
3密を防いでの開催を徹底することで、この開催を安全なものにと、入場場所にテントを張って、入場者を制限。整理券のない人は、公園の区画外のベンチなどで、3密に注意しての聴衆参加を促していた。
この日は、歌唱の部出場者も少なく絞られての16人で、中学生から80代までの広範囲の年齢層で、しかも高校生が2人出場と、例年になく若年層の活躍が目に留まった。
南風原町や那覇市、宜野湾市からの出場や、竹富町、与那国町など八重山の離島からの参加もあり、少ないながらも広範囲な出場者で、多彩な歌声を会場に響かせ、聴衆を喜ばせていた。
歌唱の部の審査中には、作詞の部の授賞式とそれぞれ歴代とぅばらーまチャンピオンによる受賞作品の熱唱が展開。それぞれ聞きごたえある味ある声色と、思いのこもった歌詞が披露され、歴代大会頂点に立った人らの歌声を堪能しながら、とぅばらーまに聞きほれていた。
なお、この日の審査で最優秀賞は該当者sなしと決まり、優秀賞2人と奨励賞1人が決まった。
優秀賞は石垣市石垣の宮良あゆみさんと、竹富町西表島上原の平良昌裕さん。奨励賞は石垣市登野城の中学生でトップバッターで歌った山田健太くん。
最優秀賞はなかったものの、味ある歌声に会場からは拍手や口笛が鳴り、それぞれの個性あふれる歌声に、喜ぶ観衆の様子が、随所に見られた。
この日、会場に来た半沢友花さん(48)は「コロナでイベント中止が多い中、開催されてよかった。本当に感謝です。ただ、歌う人がいつもより少なかったので、最後に最優秀賞が決まって、もう一度受賞者の歌声を聴いて帰れるのに、今回それがないのが残念でした」と、開催を喜ぶも、最後に1曲、聞きたかったところは、やはりとぅばらーまファンだからこそ。
三上由佳さん(56)は、「出場者の皆さんそれぞれが甲乙つけがたく感じました。コロナで入場制限があったせいか、いつもより静かに聞けて、それぞれの良さが届いていました。わさわさしていない分、伝わりやすかったと思う。月も見れたのもあるし、本当に開催されてよかった。」と喜んでいた。
(流杉一行)