11月30日、12月1日の二日間、石垣市民会館展示ホールで琉球おもろ流華道会(吉田紫峯家元)による歴史史料と共に観る「生花譜」展が開催され、400人を越える多くの来場者が会場に訪れていた。
会場には、家元とその弟子らによる数々の見事な生花の作品が展示されており、華やかな中に清楚な雰囲気を醸していた。かつまた生花に関する貴重な歴史史料も展示され、会場に集まった人は、熱心に展示された史料やパネルで示された生花の歴史に触れていた。
なかなか来る機会がなかったという大浜在住の80代の女性は「とても素敵で癒やされます。素人が生けるのとは違いがありますね。やはり優れたものを観るべきですね。来てよかった、もっと観るべきだと思いました」と、これまで展示会を見過ごしたことを損したとも。
「使う花の数は少ないですが変わるんですね。私などごちゃごちゃと花であればなんでもいい感じですが、それに比べると生け方が全然変わりますね。生けるときにはちょっとまねたいと思います」と、うれしそうに感想を聞かせてくれた。
このほかにも「生花は歴史があり、奥が深いのですね。哲学のような、つながりを感じながら自然を感じることの大切さを思いました」と答えた中年女性もいて、真剣に生け花を見つめる人が後と立たない、影響力のある展示会となっていた。
この日、配布されたパンフレットにも、花の道ひとすじに歩いてきた家元の、自身が学んできた華道の歴史が紹介されていた。
また、会場のパネルには、太古から華道の歴史をひも解き、研究に深く取り組んできた足跡が示されるなど、研究家の一端も見せていた。
また八重山における「石垣家文書」の「生花四季華形聞書集」も展示するなど、貴重な資料も発表して、本土だけでなく視野は地元にも目を届かせていることを示していて、そこに感銘を受ける人もいた。
(流杉一行)