開口一番「本当に厳しい選挙戦だったので、正直ホッとしているというのが、率直な気持ちです」と、真剣な表情で切り出した中山氏だった。
「僅差になると思っていましたが、思った以上に差が開きました。これも支援者、支持者の皆さんがしっかり活動をしてくださり、私の政策をしっかり浸透してくれたおかげだと思っています。また、三つどもえと言われましたが、保守分裂で危機感があったのかなと思います。」
「これは選挙の常ですが、対立候補に入れられた方も市民でありますし、その声もまた大切にして、今後の市政運営に生かしていきたいと思っています。」
自衛隊問題に関しては、
「国防は国の専権事項と、南西諸島への自衛隊配備は私自身は理解しているが、市民の間では賛否両論ありますから、防衛省から詳細なデータを出して頂いて、それを市民の皆さんにオープンにして、議論するなかで判断していきたいという意見を、以前から申し上げていますので、私の方に票が入っていますので、市民の皆さんも大方その意見だと思います。」
勝因を聞かれて、
「2期8年間で観光を中心に経済を伸ばすことが出来た。待機児童を解消では、しっかり数値が出せるほど、解消へ向けた動きが進んでいると、その辺りを評価頂いたのだと思う。」
まちづくりに関しては、
「石垣市は観光地をめざしていかなければいけない。それで波及効果も含めて、経済が伸びてくると思っています。特にこれからは空港滑走路の500m延長。路線バスの整備、国際観光都市としての構築していく街づくりが必要だと思っています。」
「2期8年の取り組みを、より加速させて取り組んでいきたいと思っています。」
再度、自衛隊問題に関して、
「容認姿勢の私と平得大俣に関しては反対だが建設に反対しない砂川さんの票を合わせると、1万9000近くなると思いますので、ある一定の民意は出ているのではないかと思います。」
「4公民館との話し合いをまずしたいと思っています。選挙も終わりましたので、話し合いの場についてもらいたいなと思っています。」
中山氏は、
「今回の選挙は、ひとつの問題だけを取り上げて、争点としたものではない。様々な問題課題をあげる中で、市民が選択したと考えている。私へ投票した人にも自衛隊基地反対の人はいると考えている。」
「自衛隊問題を中心に、1対1の戦いではなかったので、自衛隊の賛成反対という意見では、今回の選挙は自衛隊賛成の明確な民意ではないと考えている。経済の問題、教育の問題などこの自衛隊問題ひとつで選挙したわけではないので、明確な民意とはいえない。」
として、一定の民意ではあるが、明確な民意ではないと述べた。
「議会が終わったら、住民のみなさんと話がしたいと呼びかけていきます。防衛省の予算もついていますので、住民の皆さんが話し合いをしないとして、ずるずる先延ばしするとは考えていない。」
「予定地には民有地も入っている。民有地を先行してくるのではないかとも考えられる」と次年度予算が防衛省についている件にも触れていた。
「自衛隊の問題に関しては、明確な民意とは言えないが、ある一定の民意は出ていると感じている。」
と、実に微妙な声が市長の口からきかれた。
そして、まず最初に市長が着手したいのは、
「2期8年の取り組みも継続しますが、3期目としてまず滑走路の500m延長、港湾整備、八重山会館の3つを、早急にプランを練って、国とも調整が必要なものも多くあるので、積極的に取り組んでいきたいと思います。」
「港湾整備は、夏には10万トンクラスが入るようになります。20万トンが入るようになる2期工事に関しては、政府に対して早めの事業着手のお願い。500mの延長に関しては、公明党、自民党を通じて、進めていきたい。八重山会館については、石垣市だけではなくて、竹富町、与那国町との協議も必要となってくるので、八重山市長会を含めて、早急に話し合いをしていきたいと思っています。」
「八重山会館の建設に関してはPFIとか民間資金を利用して、建ててもらいたいなと考えている。一定の大きさになると思いますので、テナントを入れて、運営費をまかなっていく形を考えています。」
「空港滑走路500m延長については、宮古島空港が2年後になるので、2年後までには、延長することに決まっているようにしたい。計画の具体性を出していきたい。」
「クーラー整備などの財源は、クラウドファウンディングを29年度は出させて頂きました。継続的に寄付をしたいという申し出はきています。また教育委員会へ振り分けた予算を余らせた場合は、それを修繕費に回す方向で考えている。」
と、クリアな回答で、わかりやすい話がなされていた。
初当選の時、「多選批判して、やっても3期」と言っていたことを問われて市長は、
「2期8年を踏まえての締めくくりとして3期目をしっかりやらせていただき、3期目を集大成と考えています。」と述べた。
このほか、
「自衛隊に関して説明していくのは防衛省の仕事で、私は反対者の意見を集約していくのが私の役目だと考えているので、反対する人々には理解して頂いて、集約するための話し合いには、応じてほしいと考えている。」と述べていた。
(流杉一行)
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