南ぬ島石垣空港5周年記念セレモニー

 3月7日午前8時45分から予定された南ぬ島石垣空港5周年記念セレモニーが開催された。

 5年前の2013年3月7日は、まさに30数年来の待望の新空港開港の日だった。

あれから5年が経過して、観光客数は138万6千を超え、急激な変化に耐える空港機能が浮きぼりになっている。

 手狭な出発ロビー問題や、空港会社カウンターでの混雑が問題となる反面、数は増えても、観光客が島に落とす観光消費額は減少し、観光関係の事業所の人手不足から外国人労働者に依存する体質が浸透中で(これは全国規模、全業種)、安い航空運賃の影響からパックツアーが蔓延して、リピーターの存在感が薄まって、強引な安値パックツアーでゴリゴリに観光現場が荒れており、働く観光関連労働者も、丁寧なサービスより捌ききることで、やりすごす状況が増えつつある。

 これが日常に定着すれば、八重山の魅力の低減傾向は否めず、消耗感ばかりが残る八重山観光となりかねない。

 この日、あいさつに立った中山市長は、絶好調な八重山観光を述べ、東京、名古屋、大阪直行便に加え、機材も大型化し利便性が高まっており、また今月から福岡直行便も加わり、ますます観光客の来島があることを述べていた。

 また、トリップアドバイザーによる注目される観光地として石垣島が世界で第一位に発表されたことや、西表島が世界遺産に登録予定であることを紹介し、なおも観光客の来島が見込まれることを述べていた。

 このあと登野城保育所の5歳児によるおゆうぎがおこなわれ、新空港のテーマソング「おかえり南ぬ島」の曲に乗って、ダンスがおこなわれ、会場を盛り上げていた。

 セレモニーのあとは、来場した観光客への抽選会がおこなわれ、モデルプレーン、空港内店舗利用商品券、ランチペア券、商品詰め合わせ、マンゴージュース、かまぼこ商品券など多彩な商品が用意され、観光客を喜ばせていた。

 活況を呈するかにみえる八重山観光だが、観光客数が増えても豊かになっている感じがない景気より疲労感が先行する事態がある。

 ある観光関係者によると観光客の多さを人数で出すのは世界では日本ぐらいで、ほかでは日数で出しており、クルーズ船が来ても彼らは宿泊しないので、数に入らないとのこと。

 新空港が現実化して5年。質的な向上が目指される段階にあるはずで、流入者数にふりまわされる対応では、この先、我慢大会が永遠に続くような絶望感しか残らないのでは。


 
(流杉一行)

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