パインアップル・ハワイ種の旬入り宣言

 7月1日午前9時半から石垣市新栄町のゆらてぃく市場でパインアップル・ハワイ種の旬入り宣言が行われ、中山義隆石垣市長らが旬入りを宣言した。

 ハワイ種は、元々缶詰用のパインを作っていた頃からの栽培品種で、八重山のパイン農家は缶詰用の栽培法から、生果用の栽培法を学び、切り替えて生果出荷に成功。2000年に最後のパイン缶詰工場が廃業を宣言した時、高齢化による原料不足と生果のパインの伸びから、JAが缶詰工場用の出荷を辞め、工場が閉鎖の道に陥った。工場用は基本安い。キロ100円にもならない。そこは生果用が一個700円から800円で売れていく中で、缶詰工場用は弾かれてしまった格好。農家にはそれまでの栽培技術から転換して、一個一個が生産者に届く生産品づくりに取り組まざるを得なくなる。その後、7月に収穫される亜熱帯八重山でできるハワイ種のパインが、沖縄で一番甘くおいしいことが分かり、評判となって、今に至る。工場がなくなる分水嶺にあった2000年から17年の年月の下、農家の栽培技術の成功により、ハワイ種の旬入り宣言ができるまでになったことになる。

 この日、多くの市民がゆらてぃく市場に参集。いつもより破格の安い値段で売られるパインを物色していた。試食に出されるパインも飴色で、ハワイ種独特。甘いパインを知る子ども達にも人気で、この日、はとぽっぽ保育所の10人の子ども達が会場に訪れて、パインの試食を楽しんだ。同職員に抱かれた波照間晴人ちゃん(2)はパインを食べた後「甘かった」と一言反応できるほど、格別の味わい。明日に予定される名蔵で行われるダム祭りにも出店すると、石垣市役所幹部が明かしていた。今、ハワイ種が最高においしい時期ゆえ、パインのアピールのしがいが最もある月。ただ、ハワイ種に限って8月に入るとガラリと変わるゆえ、気をつけたい。ハワイ種は7月が最高の味となり、7月が終わると旬から外れ出す。

(流杉一行)

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