13連覇飾る 中西合同 4年ぶりハーリー

 6月21日は旧暦の5月4日。ユッカヌヒと呼ばれ、沖縄の漁師の間で安全航海と豊漁を祈念して行われる海神祭の日。

 14世紀に中国から伝来され、沖縄独特の文化として発展継承されている。石垣島では明治初期に沖縄県糸満市から移住した漁師により、明治39年に開催されたのが始まりとされ、今年で117回目となるとされる。

 また八重山では石垣島の四か字だけでなく、白保、伊原間・船越の2か所に加え、竹富町では小浜島の細埼、西表島の白浜、与那国町では久部良でも同じ日に開催されている。
 石垣市では漁業者の伝統行事として知られる海神祭に、石垣市役所との共催で一般参加ができる爬龍船競争も実施される。

 2020年にコロナ禍で中止され、以後3年間、海神祭は舟揃え以外は中止されてきた。今年は4年ぶりの開催で、会場は多くの来場者で湧きかえっていた。

 この日、石垣漁港には朝8時から海神祭の舟揃(スネー)が行われ、中西合同、東1組、東2組が、計8艘の爬龍船に乗り込んで、会場となる海辺の海域でゆっくりと円を描くように並んで、舟を揃えて漕いでいた。

 このあと選手入場、大会長挨拶、優勝旗返還、来賓祝辞、選手宣誓が行われ、女性部舞踊披露、アトラクションと演目は進み、御願ハーリー、中学対抗ハーリー、団体ハーリーと競技が進められて、青い海、青い空の快晴による強い日ざしの下、会場は漕ぐ人、見守る人で大いにに賑わっていた。

  迫力ある転覆ハーリー、色彩に飛んだ衣装が目につく女性陣の和やかなマドンナハーリー、水産関係者のハーリーや、団体ハーリーの決勝のおこなわれ、最後に海神祭の華、上がりハリーが行われ、西組が勝利して会場では迫力はふれる漕ぎっぷりに、沸き返っていた。

 西組のサバニの1番エークの漕ぎ手の平良亘(33)は、「勝利できて、実に気持ちいい」と勝った瞬間の感想を述べ、「皆できつい練習を重ねたことで、勝てた。ダッシュの練習を何度のもやることで、スタートとターン直後の走力をあげられた。」と、厳しい練習の成果で勝てたことを述べ、加えて、はじめて1番エークをまかされたプレッシャーもあり、勝てててよかったとも述べていた。

 コロナ禍の3年の中止を経て、4年ぶりながらも13連勝目を飾った中西合同は、来年へ向けての抱負には、「来年はまず、ワカシハーリーに勝つこと、そして上がりハーリーに勝ちたい」と平良さんは、気を引き締めて語っていた。

 (なお、御願ハーリーは東2組、転覆ハーリーは中1組、上がりハーリーは西組が勝利して、総合優勝は中西合同が獲得した。)

 (流杉一行)

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