6月25日午前10時から南ぬ浜町人工ビーチで、石垣島凧あげ大会実行委員会主催による2022年第20回石垣島凧あげ交流会が開催された。
開会セレモニーでは実行委員会長の中山義隆市長が全国から参加する凧愛好家へ、きょう一日、全国各地の凧を見ながら、凧揚げを楽しんでくださいと述べていた。
記念撮影の後、自由に参加者は凧あげをスタート。25mのビッグサイズの「タコのはっちゃん」や、秋田のなまはげの大凧や、中国製の三葉虫をあしらった巨大凧も揚げられて、会場は続々凧好きの市民も集合して、150人以上が集合。凧揚げに興じていた。
揚がる凧も、パイーグルの30も連なる連凧や、ピキダー、ハッカクなどの伝統凧に、自転車の凧、田原の喧嘩凧、鳥の羽でつくった凧や、羽ばたくように動き続けるやっぴー凧や、ウクライナへの応援の想いを乗せたウクライナ国旗仕様の凧、カンムリワシの凧、浮世絵の凧など、様々な手作り凧がカーチバイに乗って、会場を盛り上げていた。
凧のアトラクションとして空からのお菓子のプレゼントが行われ、集まった子どもたちは、空から落ちてくるお菓子を仰ぎながら、両手を広げてうれしそうに駆け出していた。
この日は、第10回目となるシャクシメー大会も実施され、腕に覚えある凧作りの名人らが、シャクシメーの上り下がりのスピードを競っていた。
この日、兵庫県加古川から参加の武田功さん(80)は、子どもたちのためにウクライナ国旗の色でつくった小型の凧を60つくって、この日参加する子どもたちに進呈していた。
「子どもたちが、凧を揚げると笑顔になる。その笑顔を見るのが好きで、凧をつくってきました」と述べていた。また武田さんが「凧は、骨組みをつくる時、竹を割いてつくることが大切」と武田さんはいう。
「凧を長持ちするよい凧につくろうとすると、同じ竹の節の中の隣り合った部分を割いて材料にします。生育環境が同じ材料を揃えるところから始めます。この細かな配慮が、ものづくりの基本で、どんなものにも通用すると思います。凧が好きな子供でも、昔のように竹から作る機会がなく、出来合いのもので組み立てるだけで終れば、ものづくりの基本を学ばずに成長することになる。子供が凧などのものづくりの経験を持つことは、大事なことだと思う」と、武田さんは、デジタル化だけでなく、アナログの世界も知っておく必要があると述べていた。
このイベントは、2001年5月13日に第一回目を開催も、台風襲来のために屋外での凧揚げは中止となった。これに懲りて、石垣島で開催日の台風襲来を避けるために開催日を検討。6月の最終土日が台風襲来がないことを突き止めて開催。20回を迎えて、以来一度も台風襲来に合っていない。八重山では4月にも台風襲来がある。いわば4月から12月まで、台風襲来の可能性が広がっている台風銀座の八重山でこの成績は奇跡的でもある。
(流杉一行)