3年目となるコロナ禍の卒業式

 3月1日は県立高校の卒業式の日。八重山では、八重山高校222名、八重山農林高校84名、八重山商工高校108名の卒業生が、保護者が見守る中、教職員らや一部在校生の生徒会役員らとともに、卒業式を挙行して、学校との別れを惜しみながら校門を去り、進学・就職の途についた。

 コロナ禍から今年も3校とも在校生は教室でオンラインで見送る形となり、3年目となる在校生のいない卒業式で、式次第も短縮しての開催となっていた。

 八重山高校では、午前9時25分から卒業生が入場し、222名という大所帯の卒業式がはじまった。恒例となっている卒業認定を学校長が宣言すると、くす玉が割られ、仕掛けられた紙吹雪が舞い、次々に卒業生が卒業証書を学校長から受け取っていた。

 八重山農林高校と八重山商工高校では、卒業生入場が午前10時からはじまった。八重山農林高校の会場のステージには、生きた花で飾った「感謝」の文字が披露され、在校生代表が先輩へ、いっしょに過ごせたことへの感謝の言葉を述べ、夢に向かって全力で進んでほしいと先輩らに呼び掛けていた。

 与那嶺国彦校長による卒業認定の後、卒業証書が卒業生へひとりひとり手渡された。

 与那嶺校長は、式辞で、「常に目標を持ち学び続けること」「人との出会い、関わりを大事にすること」「若者らしい礼儀正しさと謙虚な姿勢を持つこと」の3つの言葉を送り、卒業生へのはなむけとしていた。

 八重山商工高校では、卒業式テーマを「夢追う君はかっこいい! 希望を胸に さぁ突き進め! よーい『ドン!!』」として、スタート。ステージの壁画の紹介が在校生代表から行われてから開会。卒業認定の後、卒業証書の授与が仲山久美子校長から行われ、卒業生は次々にステージへ上がって、卒業証書を直に渡されていた。

 仲山校長の式辞では、入学して間もなく元号が平成から令和へ変わる大きな節目があった中、様々に活躍したことに触れるなどしていたほか、2年では5月後半にずれ込んだ始業式や長期の休校・分散登校、高校総体や各種大会の相次ぐ中止、遠隔授業と、コロナ禍の影響に触れ、進路活動までリモート面接となったことに触れていた。

 大人が経験していない出来事にもかかわらず、卒業生はしなやかに対応して進路を決定していったとし、学校行事の商工祭で、コロナ禍でできる方法を模索して発表の場に成功したことに触れ、

「変化の激しいなかでも、自分の道を見失うことなくたくましく成長し、今日のハレの日を迎えることができた」として、

「みなさんがこれから出ていく社会は『予測困難な時代』と言われ、思いがけない感染症の拡大で混沌とした社会です。このような中、将来の夢や希望を持って羽ばたくには厳しすぎる現実があります。しかし、『旗は風が強ければ強いほど翻る』『飛行機は向かえ風を利用し飛び立つ』。みなさんにとって、強い向かい風もチャンスととらえ、本校で学んだ知識やスキルを引き続き磨くことのできる『一生学び続ける大」』となり『夢叶うまで挑戦する心』を持ち続けることを願います。」と、コロナ禍でもひるまず進むことを述べ、激励していた。
 

 (流杉一行)

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