2月4日午後6時半から石垣市市民会館大ホールで八重山青年会議所による「石垣市長選挙立候補予定者による公開討論会」が開催された。
挨拶に立った平得脩一郎氏は、政治が地域振興には大事なことはわかるが、広く一般に政治が縁遠くなっている傾向があり、昨今の選挙における投票率の低さにそれが見られるとし、選挙への期待感の少なさを挙げ、
「誰を選んでも、何も変わらない」
といった意識がかかわっていると述べ、この現状を変革し、
「八重山の将来を素晴らしいものにしていくためには、人任せの考えから、政治に興味を持つ機会を必要としている」
と考え、今回、クロストーク型討論会を企画したことを述べた。
平得氏は「この討論会は、マニュフェスト型の討論会ではなく、経験や考え、人となりや人柄を感じられる討論会となっています。
これにより身近に感じられるものとなり、将来的には主体的な参加へとつながることを確信している」と述べていた。
この討論会が、有権者にとって、候補者選択の一助となることを、心より願っていると述べていた。
このあと、石垣能正氏がルール説明を細かにしたあと、立候補予定者の砥板芳行氏と中山義隆氏が登壇。コーディネーター役の久貝克弘氏も入場して、さっそく討論会となった。
公開討論会の進行は、久貝氏が担い、それぞれ立候補の動機と基本理念を述べてもらい、重要施策をそれぞれ発表。
また、八重山3高校の高校生から質問事項を募集し、選考し厳選した質問に答えてもらう一問一答コーナーも5問用意されていた。
以下がその問い。
「コロナが落ち着いたら、島民や観光客への何かキャンペーンを実施しますか」
「立候補した理由は何か。当選したら教育面では、どんなことを改善しますか」
「環境保全と経済発展について、あるいはそれに関する政策など考えていることを述べてほしい」
「陸上自衛隊配備計画で、現在の場所ではカンムリワシの繁殖や生態を破壊するため、住民投票をしてほしい」
「隣国の尖閣諸島での領海侵犯を止めるには、どのような手段をとるべきなのか、現在の対策についてどう思われるか聞きたい」
このあと、候補者同士のクロストークと呼ばれる、互いに与えられた時間内で質問をぶつけるというもの。最後は各候補者のPRの時間が設けられた。
最後は、ふたり握手をして、互いに健闘を誓いあう形は、それなり政治家らしさがあって、良い表情に見えた。
中山氏が12年間の市政を運用してきた内容から、これまでの事象を念頭に、その先を語る傾向に対し、砥板氏は、市議会議員のキャリアから、それまで与党のスタンスだったことを述べつつ、今後、市長になれば、市民の市民による民主主義を取り戻すと称して、保革の声を聴き、互いに折り合える部分を見つけ出して、市民が参加する市政を実現したいと述べている部分は、新しい。この二人の姿勢には、鮮明に違いが見えていた。
長くあった石垣市の保革の溝を埋めて、島がひとつになって考える必要がきていることを述べる側と、いままでの延長で進むことをいう側。
(流杉一行)