7年ぶり結願祭挙行の石垣 コロナ収束傾向で甦る鮮やかな光景

 10月24日午前9時から石垣市石垣の宮鳥御嶽で、いしゃなぎら(石垣)の結願祭が開催された。

 字石垣は、結願祭を12年に一度実施してきたが、前回より6年に変更。昨年が6年目の開催年だったが、コロナで延期となり、今年新規陽性者が減ったことから、開催を実施。

 神司のニガイからはじまり、宮鳥御嶽の前からみょうら旗頭の奉納がスタート。

 みょうら旗頭は、99年ぶりに復活させたのが7年前の2014年。琉球王府の国王が出てくる時に掲げる傘を表現した旗頭とされ、地域の威厳ある旗頭とされてきたもの。

 冒頭、みょうら旗頭が奉納されると、会場の宮鳥御嶽の拝殿前は大いに沸き返り、コロナ禍で見られなかった7年ぶりとなる旗頭の躍動から、いしゃなぎらの結願祭が華やかに始まった。

 50代60代の男衆で組織された「山打之手」流儀の太鼓が奉納された後、拝殿前でこの日の出演者(老人会、婦人会、青年会、旗頭会、太鼓会など)全員で拝礼。結願祭実行委員長の森永用朗氏が挨拶に立ち、「結願祭は、神に五穀豊穣と字民の無病息災を願うもの。みょうら旗頭奉納、おじい達の太鼓、そしてこの後3世代揃う家によるミルクガナシの登場があります。子孫繁昌、健康第一にあやかり、幸せを引き寄せてください。(カリーバシュケショーリ)」と述べていた。

 この後、イビの前での拝礼の後、弥勒(ミルク)が登場して、練り歩きが行われ、晴れやかな空気の中が会場をしめていた。

 拝殿にもどって、弥勒とともに拝礼した後、みょうら旗頭が石垣小学校周辺への練り歩きをスタート。太鼓隊がそれに続き、ミルクの練り歩きの先導を務めて、行列はゆっくりと、シィヅクリと呼ばれるパレード調の歩みを進めていた。

 午後1時からは、宮鳥御嶽で結願祭奉納芸能が行われ、キヤリィヌザイと呼ばれる林業で山から木を伐り出すときに歌われる「木遣り唄」的な芸能が披露され、ウンゲーリと呼ばれる指揮者の威勢の良い大声の掛け声を皮切りに、大勢の踊り手による舞踊が奉納されていた。

 緑ヶ丘保育園の旗頭、巻き踊り、ツナノミン奉納は、しっかりした演技に大勢の字民から歓声が上がっていた。

 このあと、獅子棒、獅子舞が続き、感謝状贈呈、屋比久の王道拳の披露の後は、祝宴が催され、会場は久々の晴れやかな舞台が続々披露され、大いに賑わっていた。

 来場者は全員マスクは外さず、しばしコロナ禍で味わった孤立感を忘れたのように、楽しそうに舞台に見入っていた。

 (流杉一行)
 

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