奉納芸能を紹介 竹富港ターミナルで 竹富島種子取祭奉納芸能中止から

 10月3日から10月31日まで、竹富港ターミナルの待合室のガラス張りの壁を使って写真展示が行われている。

 国の重要無形民俗文化財の竹富島の種子取祭が、コロナ禍から奉納芸能を中止。神事だけは実施される形となり、昨年に次ぐ静かな種子取祭となっている。今年は奉納芸能中止2年目とあって、竹富島を訪れた人へ、写真で奉納芸能を見てもらおうと、粋な計らいで展示されている。

 初日の玻座間村の奉納芸能だけでなく、2日目の仲筋村のものも、きれいな写真と演目の説明が展示されている。

 また、ターミナル内の案内版では、庭の芸能の写真も展示され、竹富島の種子取祭の名称についての説明や、この祭りが10日間実施されていること。その初日から10日目までの内容が記され、興味を持つ人にはわかりやすい解説が、写真と共に表示されている。

 昨年には港での展示は実施されておらず、今回が初の展示となっている。

 石垣港離島ターミナルでは、竹富島の種子取祭の奉納芸能が中止されたことが、時刻表などに告知されており、また竹富島では水牛車観光やレンタサイクルが、奉納芸能が予定された2日間は休業していることが知らされており、2日目などは種子取祭が行われる世持御嶽へバスも通わないことになっている。

 ただ、10月10日の竹富島行きの船には多くの観光客が乗り込んでおり、午前9時30分発竹富島行きの1便だけでも60人以上が船から降りていた。

 聞けば、多くがコンドイ浜で海水浴とのこと。石垣島に宿泊して、連絡船で竹富島へ渡り、バスに乗ってコンドイ浜で下車。そして竹富島のコンドイ浜で海水浴を一日楽しんでまた石垣島に戻る観光客が増えているとのこと。波照間島の北浜(にしはま)、黒島の仲本海岸は有名だったが、最近はコンドイ浜が近くて好まれているとのこと。そんな観光客を含む多くの来訪者が、竹富港待合室に入るとき、竹富島の種子取祭の奉納芸能写真を見ている模様。

 中止2年目となる竹富島の種子取祭の奉納芸能は、大掛かりな祭りなだけに、一般の人へ何の発信もないまま、2年が過ぎるのは、何かと気になるもの。

 いよいよひとつぐらい奉納芸能をしてもよいのではと、9日には関係者の一部で声が上がったという風のうわさもあったが、それも立ち消えしたとの話も聞こえてくる。

 11日からは、コロナ禍への配慮を引き続きしながら、平常通りの観光地竹富島に戻るとのこと。

 (流杉一行)

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