7月18日、石垣市公営塾の高校生7人が、回収したプラスチックごみを粉砕して再加工するオランダ発祥のプレシャスプラスチックを用いた商品制作のデモンストレーションを行った。
同塾では地元の高校生が石垣島の活性化を目標に、高校生の視点から島が抱える課題を解決しようと様々なプロジェクトを行っている。
今回、メンバーは「海とゴミ」をテーマに「島そうじプロジェクト」を立ち上げ、地域のビーチクリーンなどに参加。漂流ごみの多さに驚き、プラスチックごみよる被害を減らそうと、校内外への呼びかけ、ビーチクリーンなどのイベントを企画・実施、認知活動を開始した。
そこでプラスチックの丈夫さを活かし、回収したプラスチックごみを製品化できないかと考え、プラスチックごみを粉砕して再加工するプレシャスプラスチックに挑戦することに。
機械の導入にあたり、昨年8月にはクラウドファンディングを実施した。その結果、多くの方の支援を得て、目標金額135万円を上回る242万2000円の資金調達に成功することができた。
集めた資金は機械の製作に充て、島の技術者の力も借りながら、粉砕機(シュレッダー)や、成形材料を射出する為の機械・射出成形機(インジェクションマシン)などを作ることができた。しかし、機械の完成後もたくさんの失敗を重ね、試行錯誤しながら、ようやく海洋ゴミであるペットボトルのフタからコースターやキーホルダーを製作できるようにまでなった。
商品の素材に使うペットボトルのフタは、ビーチクリーン活動のほか、地域住民からも寄せられた。色ごとに分別されている。
漂着プラ(ペットボトルのフタ)を細かく粉砕する粉砕機(シュレッダー)
『Revaluetion ROBO』という名前が付けられた。
細かくなったプラを溶かし、型に押し出す射出成形機(インジェクションマシン)
『起爆剤初号機』という名前が付けられた。
完成したコースターとキーホルダー。コースターには同塾のロゴになっている島の偉人・大濱信泉氏、キーホルダーにはミンサー柄が入っている。
グループのリーダーの八重山高校3年生の奥濵寿虹(ここ)さん(17)は、感想を聞かれると、「実際に自分たちが拾ったペットボトルのフタがコースターやキーホルダーに形を変えられるようなったことに感動している。自分たちが成長できているのが楽しい。充実感や満足感がある」と笑顔で話した。
このプロジェクトを通して高校生たちは、今後もゴミにも新たな魅力があることを多くの人に知ってもらいたい、石垣島のきれいな海を守りたい、と目を輝かせた。
同塾によると、完成したコースターなどは8月末ごろ石垣空港の売店で販売する予定だ。
(編集部Ma)