7月19日午前11時から石垣島地方気象台第2会議室で令和3年台風6号に関する説明会が開催され、関係機関が集まる中、19日午前9時時点の可視画像を見せながら警戒事項を紹介。今後、発達して強い勢力で八重山地方に接近すること。暴風と大しけに見舞われ、暴風とうねりを伴った高波に警戒が必要だと述べていた。また、警報級の大雨となるおそれにも触れていた。
19日9時の時点では990ヘクトパスカルだが、22日9時には955ヘクトパスカルと、大きな勢力になり、最大風速40m/秒、最大瞬間風速60m/秒と、久々の大型の台風の襲来が予報されていた。
この日、説明した石垣島地方気象台の久保直紀防災気象官は、19日には北西に向かて移動し、21日には進路を西に変える。22日には速度を落とすという。
やはり60m級に成長する模様。暴風が始まるのは22日の午前中で、暴風が終わるのは23日以降として、最接近は22日の昼から夕方とのこと。22日12時から18時が最接近となることから、厳重な注意が必要となる。
久保気象官は、ネットなどで情報を確認することを、頻繁にしてほしいと、台風が予測通りの動きをするとは限らないことを述べていた。
記者の経験から言えることは、まず、本当に最大瞬間風速60m/秒の風が来れば、まず電柱が折れる可能性が高い。昔と違って、危ない電柱を2本で堅固にしたものが増えているが、すべてではなく、やはり60m級には、停電は覚悟が必要となる。
台風は30mに迫ると、外へは出られなくなる。台風の風は、一定の強度で吹くものではなく、強まったり緩んだりを、一定の感覚で繰り返す。緩んでも安心はできない。すぐにぶり返して、強度が増す。接近中であれば、ぶり返すごと強さは増すことになる。
台風6号は、石垣島の北側を通過する場合は、始まる暴風はまず北風。これが強烈になる。気象台は20日から北の風12mで、21日では北西の風23mと予測している。いわば、台風の中心にどれだけ近いかで、この風力の数値は上がってくる。
台風の風は左回りなので、基本、島に接近する時には、島の北を通る台風は、北風からはじまり、西風になって、南西の風と、変化する。この風向きで家のどこの窓が危なくなるかが変わる。60m級であれば、まず雨戸が必要だ。
そして、強風で物が飛ばないように、ベランダや外に置きっぱなしのものは、家の中にしまわなくてはいけない。北側だけでなく、西から南も注意する。
問題は、この台風の進路が気象台の予報通りであればいいが、これが南側にそれて、島の南側を通となれば、今度は風向きが逆になる。
東から東南、そして南に風向きが変わり、最後は強力な伊返し風と呼ばれる西風が来る。
台風が、どっちからきても大丈夫な配慮が必要だ。暴風域に入れば、何もできなくなるからだ。
久々の台風だが、2017年には70m級の台風18号は、北に反れて八重山は助かっている。
2018年の台風8号は、70m級とされた規模だったが、40m級の瞬間風速で済んでいた。停電が少ない世帯で済んでいる。
幸運が続いて、その後八重山に接近した台風は、コースがこれまでとは違って、不思議に2年間、直撃はなかった。この4年間は、電柱がボキボキ折れる被害はでていない。台風がなければ、八重山ほどすばらしい場所はない。
しかし、台風の洗礼を受けて、はじめて、この八重山がどんな場所かを思い知らされる。強烈な台風を体験してはじめて、わかるものがあるのだ。
やれやれ、気象台の予測が外れて、石垣島へ接近しないことを切に願いたいものである。
(流杉一行)