コロナ17人に感染 八重山で過去最多の感染確定者

 5月14日午後4時から八重山地区コロナウイルス感染対策会議が開催され、4時35分過ぎから、八重山病院担当、曽根沖縄県八重山事務所長、親盛剛八重山保健所担当班長、中山義隆石垣市長の4人が、記者会見を実施。まず八重山保健所の総務企画班の親盛剛班長から、昨日の5月13日に17名の感染が確定したことが告げられた。

 一日に発表された17名の数は、八重山では過去最多となる感染確定者数で、ことの重大性を示していた。

 記者にリリースされた17人の確定患者の資料には、石垣市在住者なのか、旅行者なのか、熱発あるいは無症状なのか、その詳細が書かれないままに、記者にリリースされており、そこを質問されると、八重山保健所の対応能力がマックスであることを述べ、間に合わなかったとのこと。

 この対応は保健士資格がなければ、できないことでもあり、人手不足の中でのことで、わかってほしいと、医療現場の逼迫の前に、情報収集に関しての逼迫も始まっている模様。

 ただ、親盛班長は、17名の陽性者の濃厚接触者は追い切れていると公言。

  17人は男5人、女9人、性別発表が控えられている人が3人。職業は、会社心3人、飲食業2人、自営業3人、職業確認中が8人、無職が1人。濃厚接触者だった人は、6人。

  17人ほとんどが無症状および軽症者で、中等症に至っている人はない。

 現在、八重山病院に入院しているのは新型コロナ 18人。通常は13人が限界だが、一棟病棟分を一般病棟からコロナ用に切り替え、50人の陽性者が収容可能となっている。

 18人中11人が軽症および無症状で、7人が中等症。

  このほか、中山義隆石垣市長からは、ワクチンの接種状況が話され、昨日5月13日まで1055件の予約が入っており、内236件が電話での予約で、819件がネットによる予約。このほか、16日17日あたりに13日に陽性が判明した人からの感染が明確になるとすれば、15日、16日の土日も相談外来は継続して実施する予定で、不調を感じたり、濃厚接触が疑われ、気になる人は相談外来を受けてほしいと述べていた。

 17人の各陽性者から疑われる濃厚接触者の数は、相当な数となり、実際にその人物特定から質問などの作業を考えると、膨大な作業量が想像できる。

 対応のスピードがどうなるか。質はどうなるか。あらゆる部分が、密室になるのはやむを得ないが、制度から来る制約がここにも存在し、そこを触れないままに進めるのは、ある種、共通した死角に見えてくる。

 欧州などの各国で、ことの重要さを理解してとるロックダウンが、強力すぎてロックダウンの解除の後の、反動の大きさに悩むように、逆にSARSの経験しない幸運な日本は、重要さを理解できないまま、どこまでも強力な対応に踏み切れない、煮え切れなさから、いつまでもずるずると感染を引きずることになっている。共に、執る手段は両刃の刃。

 ワクチン接種で一段落となると見る向きがある一方で、感染者の80%が無症状で完治することから、20%の重傷者リスクがワクチンでフォローできれば、経済の正常化へ向けた行動が、気持ちの上で優先されつつあるのも、やむを得ない部分がある。

 しかし、自粛で20%出る重傷者を抑えること、それが変異ウイルスの封じ込めにもなるとすれば、もう一息、自粛で済ます時間を持つ必要があると思われる。

 今回の八重山の17件発生は、市中感染と見なされるほどの、バラバラで発生している17件の陽性確定であり、改めて自粛への一踏ん張りが必要となってきそうなのは間違いない。

 5月14日の夜20時には、美崎町で石垣市役所の宣伝カーが、17人の陽性確定者の発生を告げながら、飲食店の20時以降の閉店をお願いして回っていた。

 真っ暗な一角がある反面、煌々と営業を決める店や、奥で薄明かりが漏れる店も見られて、17人の陽性発生の影の深さは、島の混迷を深めるに余りある。
 

 (流杉一行)
 
 

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